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あんず先輩と休憩をしてデートの約束を取り付けた私は、名前も知らないあの先輩の事なんか忘れて仕事をちゃんとこなしていた。凛月先輩の具合が悪いみたいなので保健室にお水届けたりとか、Knightsの皆さんのサポートとかステージの機材配置とか、とにかく私に出来ることを頑張った。TricksterとKnightsで何やら勝負をしていたみたいだけど、険悪な雰囲気ではなく最終的にまとまる所に纏まったようだった。
「お疲れ様でした!ドリンク用意してますよ」
「秋だけど、めちゃくちゃアツいな!!!」
「あわわ、待ってください!服着てください!!」
「leader!!リンさんを困らせないでください!」
上着を脱ぎ捨て這いつくばって作曲を始める月永先輩に、いつもの様に司くんがお説教をする。もう秋だと月永先輩が言っていたのに、そんな格好で居られたら風邪を引いてしまうから、いつもすぐ寝てしまう凛月先輩のために用意していた小さい毛布をとりあえずかけてあげた。
「それ、俺のために用意してくれたんじゃないの?」
「わ、凛月先輩!」
「ね、リン。お水ありがとね」
月永先輩に毛布をかけると後ろから凛月先輩が抱きついてきて、すごくビックリした。凛月先輩のいうお水とはお昼に保健室に持って行ったやつの事だろうか。
「凛月先輩が元気になってよかったです!」
「うん。まーくんとも仲直り出来たし今とっても気分がいい」
「まーくん先輩とケンカしてたんですか?凛月先輩が?」
あの衣更先輩が大好きで有名な凛月先輩が衣更先輩とケンカ?それって一大事なのでは?と心配していると凛月先輩は、優しく笑って言った。
「だからもう仲直りしたんだってば」
「な、仲直り出来たならよかったです」
「ふふ、心配してくれてありがと。リンはやっぱりいい子だね〜。よしよししてあげる」
凛月先輩はよしよしというよりわしゃわしゃと両手で私の頭を撫で始めた。これ、女の子を撫でるやつではなくないか?犬を可愛がる時にやるやつでは?
「わははは!リン、ペットみたいで可愛いな!」
「それ、褒めてますか?うぅ、ボサボサになっちゃうのでもういいです、凛月先輩!」
「王様が可愛いとか言うの珍しいね」
「そうか?おれ、猫とか好きなんだよなぁ」
「望月猫じゃないんですけど!!!」
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