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ハロウィンパーティーも終わり撤収作業を終えると、あとはもう暫くは普段通りの日常が戻って来るはずだった。いつもより帰りの時間が遅くなってしまったけれど、大規模なハロウィンパーティーだった事を思い出すと早い撤収だったと思う。ほとんど業者の人達が片してくれたのだけれど。帰りは幼馴染みのとも君が一緒に帰ってくれると言ってくれたので、お言葉に甘えて一緒に帰る事にした。とも君は一足先に支度が済んだらしく、近くのコンビニで待ってると連絡が来ていた。あんず先輩に挨拶を済ませてから『支度が終わったから今から向かうね』と返信をして昇降口を出た。
初めてのS1で緊張もしたし、慣れない動作で色々疲れたけれど、それでも皆収まる所に収まったようなので良かったと思う。とも君も紫之くんとのギクシャクが解決したみたいらしいので(私は2人のギクシャクに気づいてなかったからなんとも言えない)、このハロウィンパーティーはアイドルの皆にとっても良いものになったんじゃないかな。
とも君とダラダラLINEしながら校門を出た所で私は今日2度目の嫌な声を聞いた。


「こんばんは、プロデューサーさん」
「…アイドルの出待ちはご遠慮ください」
「私が用あるのはアイドルじゃなくてアンタだから遠慮する必要ないでしょ」


閉場してからそれなりに時間も経っているのに、この人はずっと待っていたのだろうか。いや、服が変わっているからずっと此処にいたわけではなさそう。


「アンタ、懲りもしないでまだアイドルにしがみついてるワケ?たいして可愛くも無いのに、キャラ作りだけはご立派にしちゃってさ。ウザいんだよ」
「……」
「あれほど忠告してやったのに、今度はアイドルに媚び売ってコネでも作ろうっての?アンタいい加減にしなよ、ホントに目障り。今日だってアイドル見に来たのにアンタ見つけてからイラついて仕方ない」


確かにこの人は同い年なのにちゃんと美容に気をつかっていて、化粧だってとても上手にしている。髪の毛も毎朝巻いてきているようだし、スタイルだって悪くない。この人は私が持ってないものたくさん持ってるけど、私だってアイドルに媚び売っている訳では無いし、私だってちゃんとアイドルになりたかった。


「私はアイドルを諦めたくない」
「そういう所が気に食わない」
「あなたに気に入って貰わなくても構わない」


だってこれは私の夢なのだから。



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