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06
私は今、廊下を全力で走っている。副会長もこの時間はもう教室にいるだろうから私を止める者は誰も居ない。それよりも一刻も早く行かなければならない。担任の先生が私の名前を呼ぶ前に!!
「望月リン。…望月は今日休み…」
「望月はここに居ます!!セーフです!」
「そうかー。遅刻な」
「何故!?望月ここに居るじゃないですか!」
「まだそこに居るから遅刻なんだろうが」
完全出席の夢が今ここで崩れてしまった。朝から全力ダッシュしたのに、無駄な体力を使ってしまった。食パンを咥えて走って来たのに、誰にもぶつかることなく完食しちゃったし、なんだか損した気分だ。
「はあ……」
少しくらいオマケしてくれてもいいのに。そう頭がカタイから頭皮もダメージが行って、毛が深刻な栄養不足になってさばk……
「望月、そこまでにしておけよ。その先はお前の成績に響くと思え」
職権乱用だ。もう対抗する術を無くした私は自分の席に着いてそのまま机に突っ伏す。転入してからは無遅刻無欠席で優等生だったのにな。
「ねぇリン、どっから走って来たの?」
「家からノンストップだったよ。誰にも望月を止められなかったよ」
「へー、結構体力あるんだね。意外」
隣の席のゆうた君が前に私がしたように手を口元に当てて話しかけて来た。それに頭を上げる気力が無かったから、そのまま顔を少しだけ横にしてゆうた君の事を見る。
「当たり前でしょ、望月は魔法少女なんだから」
「いや、魔法少女の事詳しく知らないから…」
「体力ないと悪いやつと戦えないじゃん」
「誰と戦う予定なんだよ」
だから悪いやつだってば。悪の組織とか。まだ出会ってないだけでこの学園にも紛れてるかもしれないじゃん。今の私の敵は担任の先生なのだけれど。
「リン殿!ちょっと頼み事が!」
「数学教えてほしいんだぜー!」
「ふふふ、望月数学割と得意なんだよ!七の段も余裕だからね!」
「レベルが低い…」
それから三人で先生が来るまでの間、マイナスとプラスに弄ばれて結局何も解決出来ないまま一時間目が始まった。
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