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お昼休みにガーデンテラスで衣装の装飾を考えていたらあんず先輩がケーキの乗ったトレイを持って私の座る席まで来てくれた。あんず先輩がケーキ、とてもよく似合っている。


「お疲れさま、何描いてるの?」
「あんず先輩!!えへへ、私衣装を作るの頼まれたのでお絵かきです!」


広げたままになっていた色鉛筆を片付けて、あんず先輩の場所を確保する。一緒にお昼休みを過ごせるなんて、幸せだ。これは所謂デートというやつなのではないだろうか!


「あんず先輩と初デート…!」
「(なんか言ってる…)リンちゃん、先輩とは上手くやれそう?」
「あ、はい!変な人だとは思いますけど、作曲の邪魔さえしなければずっと笑ってますし」


作曲を邪魔した時の眼光は怖かったけど、その時意外は言ってる事がわけ分からない事を除けば普通だし。あれ、これあんまり普通じゃないぞ。言ってる事がわけ分からないってコミュニケーションをとるのに一番致命傷じゃないか。


「大丈夫…ですよ、ね?」
「うーん…。でもなんだかリンちゃん楽しそうだから、たぶん大丈夫だと思うよ」
「楽し、そうですか?」


自分でもそう思っていても人からそう言われるのは、なんだか恥ずかしい。それがあんず先輩だから尚更恥ずかしい。


「望月、今日ゆーた君と話して気付いたんですけど。魔法少女なのに望月、今まで全然戦ってなかったなって」


担任の先生とは遅刻とか成績の事で戦ってるけど、そういうのじゃなくて、責任とか精神的な面で。今回、隠れられるあんず先輩の背中が無くなって、晒された私が私だけでやらなければならないこと。


「だから、少しだけ、なんていうか…」
「ドキドキする?」


コクコクと首を縦に振る。あんず先輩と同じ場所には立て無いけど、あんず先輩と同じ役をもらえた。


「私もね、最初のプロデュースの時、すごくドキドキしたの。不安とか悩みもあったけど、それよりもドキドキしてワクワクした」


今でそこ皆が認めるプロデューサーになったあんず先輩も、私と同じで初めてがあったんだ。それにあんず先輩は、先輩なんて居なかかったから初めから一人でやって来たんだ。


「だからね、ドキドキ出来るならきっとリンちゃんは大丈夫!それにレオ先輩とリンちゃん、きっと仲良くなれるよ」


あんず先輩の笑顔がとても綺麗だった。



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