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あんず先輩に激励されて、俄然やる気が出た私はスケッチブックに色鉛筆を走らせてお昼休みが終わる頃には納得のいくモノになった。唯一動き難くなるかと思って無くしたマントが見た目的にあった方が動きに派手さが出て悪役っぽくなるんだけど。


「そうだ。月永先輩に聞いてみよう!」


月永先輩だったらもしかしたら、マントがあってもダンス踊れるかもしれない。今まで先輩のパフォーマンスを見たこと無いからあれだけど、もしかしたらマントあってもいいよって言ってくれるかもしれない。


「思い立ったが吉日!すぐに先輩を探そう」


でも私、先輩のクラス知らない。3年生って事はなんとなく分かるけど、さすがにクラスまではなんとなくじゃ分からない。とは言っても3年生に仲のいい人がいないから誰かに聞くことも出来ない。いや、教室に居るとは限らない!レッスン室とか購買とか保健室とか中庭とか、うん、とりあえず一番近い所から行ってみよう。







午後の授業でリンさんを見かけなかった。授業をBoycottするなんて今まで無かったのに、何かあったのでしょうか。今日は朝から遅刻もしてましたし、体調が良く無かったのかもしれないですね。それに昨日、Leaderと二人で作戦会議とかしてましたし、きっと疲れてしまったんです。保健室に居るのだろうと思い、お見舞いに行こうと廊下に出ると何故かボロボロになったリンさんが壁伝いに歩いていた。


「リンさん!!」
「あ、あ、司君…!司君だぁー!」
「何故そんなにボロボロなのですか!?」


崩れるように座り込んでしまったリンさんに駆け寄り、髪の毛に絡まっていた葉っぱを取る。髪の毛に葉っぱを絡ませるなんて、今まで何処にいたんでしょう。


「最初は月永先輩を探してたんです。だけどクラス分からないし、先輩何処に居るか分からないし、そこまで仲良くないから何処に居るか検討も付かないし、それで色んな場所を探してたんだけど…」


リンさんの話を要約すると、Leaderを探していたけど見つからず、授業の開始のBellが鳴って帰ろうと思ったけれど、自分でも分からない場所まで来ていたのにその時気付き、彷徨っていたら建物が見えてとりあえずその建物に入ったけれど、その建物はIdol科の建物ではなくて演劇科で、何故かそのLessonに出る羽目になり、そこで5時間目を過ごし帰ろうとしたけれど、Idol科の場所を聞くのを忘れて自力で探していたら、木の上に猫がいて降りれなくなっていたから助けようと木に登って助けたはいいものの、足が滑って木から落ちてしまいそのまま気絶。そして目が覚めたら凛月先輩が隣で寝ていて、先輩を起こして校舎まで案内してもらって今に至るという。


「望月、何のために月永先輩探してたのか忘れちゃうくらいの旅でした!!」
「あの、リンさん…」
「なに?」
「Leaderは3-Bですよ」

「……え?」



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