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司君に教えてもらった3-Bに行くと教室が色とりどりの五線譜で彩られていて、一瞬でここが月永先輩のクラスで間違いないと確信した。
「あ、あの…」
「ん?お前確か光と同じクラスの魔法少女」
「は、はい!望月リンです!月永先輩に用があるんですけど…」
どうやら先輩はいつもの作曲活動をしているようだ。教室の壁が大変な事になってるけど、誰1人月永先輩を止めないから3-Bではこれが普通なのかな。
「レオちん!!ちょっとレオちん!!」
いや、月永先輩がめちゃくちゃしてるのか。それでたしか月永先輩を止めてるのが、仁兎先輩。光君が良いリーダーだって言ってたな。同じリーダーなのに、司君との評価がまるで違うから月永先輩ってある意味すごい。
「あー、お前誰だっけ?」
「望月リンです!衣装のデザイン案が出来たので探してました」
先輩が私を覚えてないのはもう仕方ない。だから深く突っ込むことなくそう言ってスケッチブックを渡すと、月永先輩は今思い出したように「おお!そうだった!」とスケッチブックを受け取りデザインを見た。
「衣装ってもしかしてさっき話してたユニットのやつか?」
仁兎先輩が少し背伸びをして月永先輩の持つスケッチブックを覗き見している。人に見てもらうのってやっぱり緊張する。さっきまで自信があったデザインなのに急に自信無くなって来た。
「お前、これ昨日から考えたやつか?」
「あ、いえ、今日のお昼休みに描いたんですけど…、やっぱり時間かけて考えないとダメですよね…」
「お昼休みって…え?これお昼休みだけで仕上げたにょか!?」
え、何か問題でもあったのかな。仁兎先輩が噛んじゃうくらいマズイことを仕出かしてしまったのか。これは大変だ。描き直そう!今度は時間をかけてゆっくり考えよう。
「か、書き直します!」
「お前、面白いな!よく出来てる!!」
「ふぇ!?」
「しゅごいだろ!!素材も細かく決めてあるしこれを昼休みだけで仕上げるにゃんて!」
先輩2人に真っ直ぐ褒めらる事なんで今まで無かったからすごく恥ずかしくなった。きっと私の顔は今真っ赤だろう。お母さんとお父さんには褒めてもらったことはあるけど、他人に褒めらるのは両親とは違う。
「望月、ま魔法少女ですから!こここのくらいなんとも無いですよ!!!」
真っ赤の顔を隠すようにステッキを取り出しポーズを決めて恥ずかしさを誤魔化す。そして視線を先輩2人から少しずらす。因みにこのポーズをするのに恥ずかしさは微塵も無い。
「やっぱりお前いいな!面白い!!えっと、確か…リン!お前を引き入れて良かったな!おれの周りには優秀なメンバーが集まる運命なんだ!わはははは☆」
月永先輩が急にテンションを上げたと思ったら、急に右腕で肩を組んで来てそのまま右手で私の頭を撫でた。この時私はこの行動に気を取られすぎて気づかなかった。月永先輩が私の名前を呼んでくれた事に。
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