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そうして結局二日が経った。今晩中に尾形さんが戻ってこなかったら僕は追ってきて良いと言われている。…勿論、追わないという選択肢だってある。尾形さんは何も教えてはくれなかったが、どう考えても面倒事だ。それが察知出来た時点で、僕は医者としての理念と矜持と、恐らく生命だとかそういうもの―――どちらを取るか考えなければいけなかった。…正直、真面に考えれば生命だ。此処でさっさと離脱して、尾形さんも追わないで、探していたけれどもそういえば様子が可笑しかったと気付いて戻ってきた、とでも言えば良い。最初は脱走された怒りで気付かなかったが、徐々に冷静になった、とでも。尾形さんは鶴見さんを誤魔化せないと言った。それは僕もそう思う。けれども天秤にかけた上で鶴見さんを取った、とそこまで分かる人だろうし、それを踏まえた上で何もなかったことにするだろうという予想があった。その場合僕は尾形さんを切り捨てたことをずっとちくちく言われるだろうが、生命は何ものにも代えがたいものだと僕はよく知っている。知ってしまっている。だって僕は医者なのだ、どれだけ人間が簡単に死んでしまうのか、何度も何度も見てきた。
でも、尾形さんは重傷者だ。まだ、完治した訳じゃない。
本当はまだベッドで休んでいなければならないはずなのに、射撃訓練だって本当は反対だった、死にかけたのに、僕はそれを知っているのに、どうして医者として正しくないことをしてしまったのだろう。分かっているけれども、そんな後悔が付き纏う。あの時、あんなことを掛け合わなければ今、尾形さんは危険なことに首を突っ込んでいないのではないのか。そんな、ふうに。僕は首を振る。やってしまったことはどうにもならない、何を悔いたところで過去は変わらない。救えなかった生命があるように、僕は未来のことを考えなくてはいけない。
今度は、後悔、しないように。
尾形さんを、ちゃんと、出会った頃くらいの健康さに戻すくらいに―――なんて。唇を噛み締める。違う、こんなのは言い訳だ。僕は。
どうして僕を連れ出したのか、その本当の解えが知りたい。
例えそれがどんなに残酷なものだったとしても。
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