いかにして君を独占するか。それが問題だ。
床に転がっている姿を見てまず最初に呼吸を目視してしまうのは最早癖なのだと思う。仕方ない癖だ。そもそも尾形には殺される理由がたくさん浮かんで、伊佐早はきっとそれに真っ先に巻き込まれる人間だろうから。こんな遠い土地まで殺しに来れるような骨のある人間がいたかどうかまでは知らないが、いたって可笑しくはない、とは思っている。
それだけ、殺した。それだけ、恨みも買った。それを、後悔などしていないけれど。
「センセー」
「んっ、あ、おかえりなさいー」
「死んでるみたいだからやめろ、それ」
「…そうかな? まあ今後気を付けますよ」
ああ、今、診察された。そう思ったけれども尾形は何も言わず、手を伸ばす。
「どうしたんですか、尾形さん」
「センセー」
「呼ぶだけじゃあ分かりませんよ」
「アンタは、意地が悪い」
「今更知ったんですか?」
笑って手が伸ばされる。良いですよ。
それは許しでも何でもなかった、ただのこの男の自己満足。けれどもそのどうしようもない行為に、尾形は。
*
森の奥
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