サッカー少年
留年をする前に、彼を見たことがないとそんなことはなかった。ただ忘れていたなあ、と今思い出しただけだ。流石に留年が決まったその日は落ち込んでいて(だってお祖母様に怒られるのは確定だったから)、学校の近くのお家の犬と戯れながら、校庭を見下ろしていた。その中で、目についたのがサッカーをする同年代たちの姿だった。殆どが男の子たち(同年代についてこんな言い方をするのは可笑しいかもしれないけれど)で、大人になってもみんなでサッカー、なんてするんだな、と思って少し笑ってしまった。その中で、いっとう素晴らしい動きをしていたのが、彼だった。小さな身体で、身軽に、ボールと戯れる。それを見ていたらなんだか元気が出て来て、でも目がそう良い訳でもないから、彼の顔までははっきりと分からないで。
「あれ、君だったんだねえ」
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留年、犬、サッカー
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