「どうした、迷子か? お嬢ちゃん」
緑の帽子をかぶったお兄さんに尋ねられ、少し迷ってから頷いた。
「お父さんかお母さんと一緒に来たのか?」
首を振る。
「じゃあおじいちゃんかおばあちゃんと?」
またもや首を振る。お兄さんはうぅむ、と考えてからまた尋ねた。
「誰か大人の人と一緒じゃなかったのか? お兄さんとかお姉さんとか…」
「ひとりです」
小さく答える。
「ひとりなのか、偉いなぁ。何処に行きたかったんだ? 俺で良ければ案内するよ?」
途端にぱぁと破顔したのを見て、ああこの人良い人なんだと思う。
「えっと…わかんないんです」
「場所の名前忘れちゃったのか?」
「そうじゃないんですが…」
「あ、元々行きたいところの名前知らない? どんな所か教えてくれれば一緒に探すよ?」
「えと…そうでもないんです」
曖昧で要領を得ない私の回答に、お兄さんは困ったように眉を寄せた。
「記憶喪失…じゃあなさそうだな。しっかりしてるし」
「違います。でも、わかんないんです」
「名前、言えるか?」
「サガリです」
「よし、サガリちゃん。俺と一緒にとりあえず駅長室来てくれないか? そっちの方が涼しいし、お菓子もあるよ」
「ご一緒させていただきます」
差し出された大きな手を取る。これが、鉄道員のリンネさんとの出会い。

迷子少女は出会う

 あの後駅長室でお茶を飲みながらジュンサーさんにいろいろ聞かれて、結論として私は捨て子だということになったらしい。まぁ無理もない。言動も身なりもしっかりしているのに、家のことについては分からないの一点張りなのだから。
「とりあえず一週間預かって、それで親御さんが名乗り出ない場合は施設を探すということになりそうです」
ジュンサーさんは眉を寄せる。
「後者の可能性が高いと、言わざるを得ないでしょうね」
 そんなこんなで私は一週間かの有名なライモンシティのバトルサブウェイで、お世話になることとなったのである。自分で言うのも何だがかなり運が良いと思う。
 サガリ、自称七歳。このまま運良く転がりたいものである。


















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