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 そうしてやっとたどり着いた連れて土方さんの隠れ家には、いろんな人がいた。それはもういろんな人がいた。普通に医者をやっていたら出会わないような人たちだった。土方さんは自分たちの陣営にいる人間のことを奇人変人と言ったが、今思うとそれには土方さん自身も含まれていたのだろうなあ、と思う。此処でやっていける人が変な人でない訳がなかった。まあ個人的には家永さんというひどく興味深い人と出会えたのは良かったかな、と思う。思い込みだろうがなんだろうが、実際こうして家永さんは若々しく可憐な姿である訳だし、体質なのか、それとも強い願いは人体の限界をも突破するとでも言うのか。調べてみたいなあ、と思う。でも多分許可はもらえないだろうな、と思った。
 医者にとって他人に自分の身体をいじらせるなんて正直、ぞっとしない話である。僕だって自分が何か悪いことになったら自分でどうにかしたいと思う。絶対に他人に治療させたりなんてしないだろう。まあ、これは人によるとは思うけれど、多分家永さんはそういうところでは僕と同じ系列の人間だった。僕の勘がそう言っていた。機会があればお話くらいはしたいのだけれど、此処で尾形さんからホイホイ離れて自由に行動出来るほど僕は図太くはなかった。…いや、ちゃんと言おう。僕は確かに図太いけれど、此処で尾形さんの行動から目を離すような真似は出来なかった。其処まで自由になれなかった。
 しかしまあ、と思う。
 情報交換の意味もあるのだろうが、僕にとっては初耳な情報がぽんぽんと尾形さんの口から出てくる。まあ僕が知っていたところでどうしようもないし、知らなければ捕まって拷問されたところで情報が漏れるなんてこともないのだからそっちの方が良かったのだろうけれど。此処で知ってしまってもきっとみんなが知っている今更な情報≠ノなるから良いのか。土方さんの方からもスパイだのなんだの聞いて良いのかよく分からない話が出てくる。でも流石に此処で僕が耳を塞いであああ〜と言い出す訳にはいかないだろう。
 重苦しい話を聞きながら僕は茶菓子をいじっていることしか出来なかった。
「聞かなかったことには出来ないぞ」
永倉さんには指摘されたけれども、僕は分かっていますよ、と返すだけに留めた。
 あるかないのかすら判然としない金塊、脱獄囚に彫られた刺青の暗号、様々な政治的思惑に国内外のそれに関わる組織。
―――人の死ぬ予感がした。
そして僕は恐らく、その時まで死ぬことを許されないんだろうな、とも思った。


















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