好きだから守ってやるなんて、なんて残酷で素敵な束縛
監視でもなければ別に私に好意があるとか、そういうこともないくせに、と思う。そんなことを思ってしまうと口に出してしまえば、きっとあらぬ誤解を招くだろうから何も言わないけれど。まるで私が太刀川さんに私のことを好きになって欲しいみたいだ。でも、それはない。ただ私たちは傷にもなれなかった傷を舐め合っているだけ、とんでもない話だ。何の話もしないのに。
「でも、嫌いじゃねえよ。わりと好きだと思うよ」
胡乱な視線はきっといつものもので、だから私ははあ、とだけ返す。すると慌てたように太刀川さんが手をわたわたと動かすから。
「ああっえっとそういうんじゃなくてな、お前もほら三門市民なワケで、おれは三門市民が好きなワケ…で…」
「別にそんな苦しい言い訳をしなくても分かりますよ」
此処に、恋愛はない。
きっと永遠にないままだ。
そして、多分、来た方がマシだった類の物語なのだ。
*
箱庭006 @taitorubot
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