お前の記憶から彼奴を消すには、
女、という記号で戦った方が良かったのだろうか、と思う。けれどもきっと伊佐早先生のそれはあの男の呪いだけではなく、単に伊佐早先生の好み、というだけの話だったのかもしれない。そういう、至極簡単だった話をややこしくしたのはあの男であって、私はそれを生涯恨み続けるだろうけれど。
「私が、殺せば良かったのに」
そして、私も一緒に死ねば良かった。
そうしたら、あの女はきっとすべてを諦めてくれただろうから。
優先させるものが恋であったのなら、もう少し私は優しくなれたのかもしれない。でも、私を女として生んだあの女のことを本心では許せないのに、その上に連ねられたただの損得勘定を恨むことは当たり前すぎて言葉にすらならないのだ。
*
キミのナカ。 @kimino_b
prev /
next
ブラウザバックor戻る
ALICE+