憂鬱な水曜日



 世間一般の人々にとって憂鬱な曜日というものは一体どれででしょう。基本的には月曜日なのかもしれません。私も特別な日以外は月曜日が憂鬱です。休みが開けて学校へ行かなければならないし、休みだからと言って学校の先生がたくさん出して来た課題が終わっていないことを目の前に突き付けられてしまうのですから。
 ですが一月のうちで絶対に、月曜日よりもずっと気が重たくなる曜日がある週があります。第三週目の水曜日です。これは私だけではなく、この孤児院のすべての子供たちが憂鬱に思っていることと思います。
 何故その日が憂鬱かって? そんなの分かりきったことでしょう! 偉い先生方がこの孤児院を視察に来るからです!
 まずその日は早起きです。理由は掃除をするため。偉い先生方が来ると言っても学校は休みになりませんし、前日にやったのでは意味がありません。子供たちはとてもとても元気なので、一晩あれば前の状態以上にその場所を汚してみせることが可能です。そもそも偉い先生方が来るなんて言っても、子供たちは本当のところその意味を理解してはいないのです。少し大人になれば分かることではありますが、私たち―――既に少し大人になってしまった孤児院の子供からしてみれば、今、少しだけ大人になってはくれないかと思ってしまうのです。私たちは窓から廊下からすべてをピカピカに磨き上げるように先生たちに言い渡されます。私たちは言われた通りにしようとします。何も理解していない子供たちが隙を見ては汚そうとしますが私たちは戦います。それはそれはとても大変な戦いです。ですが、それだけではありません。そもそも偉い先生方はそんなことをしたことなどないかと思いますが、掃除と言うのは、特に窓拭きというのはとても大変なのです! ええ、分かっています。偉い先生方はそのようなことをしないからこそこの孤児院に寄付を下さり、私たちは快適に過ごすことが出来ます。それでも大変だと主張したかったのです。特に今なんて冬ですから、
窓を拭く傍から指が凍りついて、骨の芯まで雪が浸透してくるような心地にすらなるのです。ええ、分からないでしょうが。分からなくても良いのです、だってその方がきっと幸せでしょうから! 私もいつかそうなりたいものです。せめて、嗚呼、せめて。
 今日のような日のことを、憂鬱な水曜日と、呼ばない日が来ることを切に願っております。


















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