交わらない未来に生きている
嘘は得意だった。自分を騙すことも。そうでなければ小説なんて書けない。自分の
上に皮膜を作ってそれを丁寧になぞるように、自分はこの世界に適応出来るのだと何度も何度も何度も何度も繰り返して、そんなことを。
「貴方は私を愛してはいない」
セナ・堀越は呟く。同じ部屋にいる、どんな言葉も上手に当てはまらない男に対して。キスはした。でもセックスはしていない。きっとこの先もないだろう、あってはならないのだ。そんな三文芝居。何も変わらない、変わらない、変わらない、変わってはいけない。
「そうでしょう? ホッチナー捜査官」
それだけが答えだった。
それ以上は要らなかった。
*
喉元にカッター
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