「…ヤ………ヤミー……」
ウルキオラとのやりとりの間で、不意に第三者の声が聞こえて振り向く。と、驚愕の顔でロリとメノリが自分を見ていた。ロリの腕の中には、ぐったりとした織姫の姿がある。
2人の姿を捉えた瞬間、ヤミーは裏平手でメノリをぶっ飛ばした。骨が砕けるような音と共に、自分の目の前で一瞬で姿を消した相方にロリは叫んだ。
「メノリ!」
「ウルキオラぁ!なんでメス犬共がこんなとこ居やがんだぁ!?」
「そいつらに訊け」
「それもそうだな。オイおめえら、ザコのくせになんでこんなトコ来てんだァ?ジャマくせえぞ、死ねよ」
ヤミーがロリに向かい手を伸ばす。と、掌に小さな痛みが走った。切られた箇所からは少量の血が流れている。
織姫を放りヤミーを切った本人は恐怖か怒りか分からないが、たった一撃を浴びせただけにも関わらず、酷く息を荒げていた。
「井上!!」
「くどいぞ。俺を殺してからだと言った筈だ」
ロリと距離が開いた織姫を助けようと、駆け寄ろうとした一護をウルキオラが阻止した。
一方織姫側は、切られたにも関わらずヤミーの方が余裕の笑みを零し、ロリが警戒の色を露わにし…と一方的な展開を見せていた。
「何だァ?その服のドコに剣なんか隠してやがった?やらしい女だぜ」
「毒せ 『 百刺毒娼 !!!』」
ヤミーの言葉に怒りを逆撫でられたロリは、短剣を胸元に翳した。一瞬砂塵が舞い上がり、細身には似合わない巨大な尻尾が地面をのた打った。
「…あんたに…あんたなんかに……!」
「あんたなんかにやられる為に、ここに来たんじゃないのよ!!ヤミー!!!」
尻尾が勢いよくヤミーに向かい飛んでいく。それをヤミーは、首を曲げただけで避けた。目標を失った尻尾が後方にぶつかると、当たった柱が泡を立て溶けていく。どうやら強力な酸が含まれているようだ。
「!」
「あたしの毒であんたもウルキオラもどいつもこいつも!!グチャグチャに爍かして殺してやるわ!!!がっ」
ロリの第二波が襲う前に、ヤミーは虫を潰すような表情で拳を振り下ろした。人一人の身体を覆うほどの大きな拳が勢いよく下ろされるなど、余程頑丈な身体でない限り即死だろう。
何とかロリは耐えたが、尻尾が潰された事により酸液は溢れ、息も切れ切れだった。
「…ぐぅ………う…」
小さく呻くロリを、ヤミーはゆっくりと持ち上げた。目線まで持ち上げると、意識がまだ保たれたロリは、強気な態度を崩していなかった。
「くそ…っ、あんた………あんたみたいな…カス野郎に……」
「あァん!?」
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