ドッと、黒い液体が破裂して出てくるように、ウルキオラの身体から霊圧が溢れ出てきた。一瞬の出来事だったが、霊圧はウルキオラの身体から消えると、雨のようにそれは降り注ぎ視界を霞ませる。その一連の出来事に、一護は動く事が出来なかった。
漸く雨が止み、視界が晴れやかになった一護の視線の先には、大きな漆黒の翼を纏ったウルキオラの姿があった。グリムジョーや今まで戦ってきた破面達とは違い、服装と頭部以外、見た目は解放前とさほど変わっていない。が、油断出来ないのは事実だ。
「動揺するなよ」
「!」
「構えを崩すな、意識を張り巡らせろ、一瞬も気を緩めるな」
一言一言、言い聞かせるように、一護に向かい言葉を紡いでいく。
その間に、自分の手の内では光の矢を作っていた。
瞬間、遥か遠くに居たはずのウルキオラが、一瞬にして一護の前に姿を現した。
自身の霊圧で作った光の矢は一護の首元の数cm手前にまで迫っている。いつの間に現れたのか疑問に思う時間も無く、攻撃を避ける暇も無いまま黒と白の光が激突した。
大きな音を立てて破裂するように消えた光。次の瞬間には仮面の一部は欠けると床に落ちて割れ、額から床に滴り落ちるほどの血を流しながら、一護は膝を床に着けていた。
「…反射的に月牙を出したか…、…賢明な判断だ。そうしていなければ今頃、貴様の首は俺の足許にあった」
毅然とした態度で言い放つウルキオラは息一つ乱れていない。反対に一護の息は乱れ、呼吸を落ち着かせようと必死になっていた。
(嘘だろ……速過ぎる……、こんなことがあるのかよ……。虚化の状態で……全く反応できなかった―――……)
「…"虚化"とやらの能力は増加している、仮面を出していられる時間も増した。…だが、こうも容易く割れるとはな」
「残念だ」
新たに構えられた光の矢を、一護目掛け飛ばす。通常では考えられない速さで飛ばされた矢は一護の右肩をかすった。
かすっただけでもその威力は凄まじく、足場にしていた建物の端まで飛ばされそうになった。しかし、自分の斬魄刀を支えにし、なんとか耐える。すぐに欠けた仮面を修復させると、翼を使いこちらに向かってくるウルキオラに構えた。
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