彼女の涙が地を染めていく中で、一護は姿を変えて覚醒した。その気配に前に居た織姫も気づき、振り向く。それに倣うように、他の三人もそちらに視線を向けた。
視線の先には、髪が伸び顔を仮面で覆われた一護の姿。その異形に、織姫は自分の目を疑った。同時に他の三人もそれぞれ驚きの表情を見せた。

「―――……………え……?」
「……黒………崎……?」
「…………嘘……でしょ……―」
「―――馬鹿な。生きている筈が無い。その姿は何だ。お前は、誰だ」

確かに倒したはずの人物が立ち上がったことに驚きながらも、ウルキオラは静かに問いかけた。しかしそれに応じる様子も無く、一護は手を翳した。
するとその手に吸い寄せられるように、一護の斬魄刀が飛んでいき、彼の手中に収まった。一護がそれを地に沿わせるように一振りすれば突風が吹き荒れ、地面が割れた。

「あうっ」
「井上さん!!」

振りかざして起きた突風は、いとも簡単に織姫の身体を転がした。織姫が吹き飛ばされる前に石田は彼女の身体を支える。

「聞こえないのか。お前は誰だと訊いている」

突風が吹き荒れる中、その場から動くこと無くウルキオラは一護に問うた。しかし、聞こえているのかいないのか、一護は長い雄叫びをあげるだけで彼の問いに答えることは無い。

「…どうやら、言葉が通じんらしいな」

ウルキオラはそう解釈すると、手っ取り早く事を片付けようと黒虚閃を指先に溜め、放つ。
それに対して本能的にだろうか、ウルキオラの行動に合わせ一護は頭を上に向けたあと、角の間に虚閃のような光を集中させ、ウルキオラに向けて放った。

「!」

互いの攻撃がぶつかると同時にその威力は抹消され、その強大な衝撃が再び突風となって周りに広がる。織姫達や遠くに居た萌苗ですら飛ばされてしまいそうになるが、何とか耐えた。




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