「…外したか。やはり扱いが難しいな…」

そう言いながらも、また新たな槍を造るウルキオラに、石田は驚きを隠せなかった。

「…あいつ…あんな技を何発も撃てるのか…!!」

ウルキオラが新たな一撃を喰らわせる前に動き出し、彼の背後に一護はに回り込んだ。

「何だと…ッ」
(探査神経を完全にすり抜けた――――!
今のは瞬歩じゃない、響転だ)
(……怖い。あれは一護だけど一護じゃない。それは分かるけど、何であんな姿に変わっちゃったんだろう。このまま二人が戦うのは危険過ぎる。何とか一護を元の姿に戻さないと…。
それより、もし一護がこの姿のまま戻らなかったら……)

そう考えたら背筋がゾッとした。そして、萌苗の思考とは裏腹に、身体が勝手に動き出していた。
一瞬の隙を突かれた事に驚きを隠せないウルキオラ。代わって萌苗はその一瞬を見逃さず、ウルキオラが攻撃を受ける前に二人の元に移動した。「萌苗、」

「拭え…っ」

二人の間に立ち、萌苗が斬魄刀を解放しようと刀に手を掛けようとした刹那、肘から下の感触が消えた。
それが一護によって切られたと分かる頃には、服は血で赤く染まっていた。そして斬られた痛みが脳に伝わり、その痛みで声が声が出そうになる前に、一護に喉を掴まれ壁に思い切りべつけられていた。

「…っ!」

押しつぶされている形で押さえつけられているせいで、壁は罅を広げ壊れていく。ギチギチと首が締まっていき意識が朦朧としてくる中で、一護が斬魄刀を振り上げるのが見えた。

(これは、一護が約束を覚えているという事なの…?)
「…それ、は…嫌……!目を…覚まし、て…一護!」

朦朧とした頭をフル回転させ、こんな状況で約束を果たされるのはごめんだと、萌苗は斬られていない方の腕を上げ虚閃を放った。
なかなか力が入らなかったなりにも威力のあるそれは、虚閃を放つ気配に気付いた一護が萌苗を投げ飛ばした事により、当たる事は無かった。
そのまま床に全身をぶつける萌苗の視界をかすったのは、槍を持って一護に向かっていくウルキオラの姿。
自身に向かってくるウルキオラに、一護はいつの間に持っていたのか、萌苗の腕を投げつけた。それを冷静に、しかし少し怒りに似た感情を見せながら、持っていた槍で弾き飛ばした。




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