角を失ったからか、爆発の勢いでか、一護を覆っていた仮面が割れ、素顔が現れた。その目は虚ろで何も映しておらず、それが織姫の不安を煽る。

「…黒…崎……くん…?」
「!黒崎くん!!」

一護は意識を失い、そのままぐらりと倒れ込む。
織姫は何度も一護の名を呼びながら、彼の傍に駆け寄った。ウルキオラは軽く息を荒げながら倒れた一護の背中を見つめ、次に瞳に涙を溜めて彼を呼ぶ織姫を見、そして最後に泣きそうな顔で自分の傍に寄ってきた萌苗を見つめると、次に自分の身体を見下ろした。

―…腕も脚も体も、再生しつつあるが見せかけだけだ。奴が吹き飛ばした内臓まで戻る事は無い−
−今の一撃で終わらなければ、そこで死んでいたのは俺だ―

ウルキオラがそんな事を思っている時、一護の周りの風向きが変わった。
突然の大きな音につられ二人が一護に視線を戻すと、伸びていた彼の髪や装飾品が消え、その後彼の周りを風が覆う。そして再び大きな音が立つと同時に大きな円が一護の上空に広がり、気付けば一護の身体は戦う前の無傷な姿に戻っていた。

「…孔が…塞がった…… ?」
「超速――――……再生か―――……!」
「…く…黒崎……くん…?」

各々の思考が一護に向けられる中、織姫が静かに一護の名を呼ぶと、呼び寄せられるままに一護がガバッと身体を起こした。
その事に驚いている織姫の傍で、一護は自分に何が起こったかを頭の中で懸命に整理しようと、暫く動かなかった。

「………………俺は………?」
「胸に孔を…あけられた筈じゃなかったのか……!?」

漸く自分に起こった事を思い出した一護は、開けられたはずの自分の胸元に手を置いた。
だが、開けられたはずの孔はそこには無く、驚きを隠す事が出来なかった。

「黒崎くん……」
「井上…無事か?」

織姫が自分を呼んだ事で、やっと自分の傍に織姫が居る事を知り安否を確認した。
静かに頷く織姫に無事を感じて立ち上がりながら安心し辺りを見回すと、視界に入ってきたのは腹部に自身の斬魄刀が刺さっている石田の姿だった。

「…石田……!」
「…ようやく…目が覚めたか……」
「その傷……俺がやったのか…?」
「…しぶとい奴だ……」

パニックに陥りそうな一護の耳に、不意に聞こえたウルキオラの声。声の元を辿り後ろを振り向くと、半身が異様なほどにボロボロになっているウルキオラと片腕を無くした萌苗の姿があった。




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