ウルキオラが消えた事によって崩れ落ちた萌苗は、ずっと動く気配が見られずにいる。
敵として対峙する前は泣く姿すら滅多に見る事はなかったのに、虚夜宮に来てからは泣いている姿を何度も見た。先程も、聞いた事のない声で萌苗は泣き崩れた。
それだけ、ウルキオラの存在は彼女に影響を与えていたのかと少し衝撃を受けた一護だったが、意を改め声を掛けようと手を伸ばそうとした。
しかし、一護の手が萌苗に触れる直前、萌苗の肩がフルフルと震えだし、次第にそれは大きくなり、最終的には俯いていた顔を上げ大声で笑い始めた。
その姿を見た三人は、驚いて眼を見開いたまま固まった。暫くすると笑い声は止み、何事もなかったかのように立ち上がると、首に手を当て小さく傾げて骨を鳴らした。
「あ〜〜〜ぁ!やっと出られた。…ったく、しぶとい精神してんだから」
「萌苗ちゃん…?」
「…萌苗…なのか?」
「……なに」
一護達の呼ぶ声に鬱陶しそうに振り向いた萌苗の瞳は、いつぞやのウルキオラと戦った時と同じように、白眼の部分は黒くなり、瞳も紅く色が変わっていた。
それに加え、いつもと違いきつい口調で意味の分からない事を口走る萌苗の姿に違和感を感じた一護は、間合いを取って軽く剣を構えた。
「お前…萌苗じゃねえな。……誰だ」
「え!?」
「…はっ。アンタ達が萌苗かって聞いたから答えたのに、ちょっと違う反応しただけで偽物扱い?傷付くなー」
「…テメエは、誰だって言ってんだよ」
萌苗の嘲笑っていた顔は、一護の間髪入れない言葉によってすぐに眉を寄せ嫌そうな顔に変わり、視線を地面に移すと吐き捨てるように口を開いた。
「アンタの中にも"居る"でしょ、ソレと同じ。アタシの方がソレよりもお利口さんだけど」
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