「あ゛ぁあ…っ!」
『痛い?痛いよね。これで痛くなかったらどうかしてるわ』
「黒崎!」
「黒崎くん!!」
『動かないで。コイツがどうなっても良いの?』
「!…」

一護を助け出そうと今にも動き出しそうな織姫達の気配を察した萌苗は、牽制の言葉を掛けた。その言葉に息を詰まらせ動かなくなった二人を見ると萌苗は再び目線を一護に向け、彼の元まで歩み寄る。
そして、一護の目の前に着くと、萌苗は勢い良く一護の肩を踏みつけた。

「っ!」
『…どうして仮面を付けて戦わないの?』
「……」
『もう力が無くなっちゃった?…それとも怖いの?仮面を被ったら、また傷つけちゃうんじゃないかって』
「違ぇ…!」
『そう。じゃあ仮面を被って戦ってみせてよ、抜いてあげるから』

ズブリと生々しい音をたてて、四肢から尾が引き抜かれた。抜かれた箇所からは血が大量に吹き出し、一護の意識を徐々に薄れさせていく。
しかし、意識を失う事を赦さないとでもいうように肩に置いた足に力を入れ食い込ませる。一護が唸り声を上げると同時に二人の間にオレンジ色の壁が出来、萌苗の足を跳ね返した。
それが織姫の双天帰盾であり、一護の傷を癒やす為に発動させたのだと判るのにそう時間は掛からず、萌苗は織姫の方へと視線を向ける。

『アンタ…』
「これ以上、黒崎くんを傷つけないで…!」
『何で?私がどうしようと勝手だわ』
「…どうして?わたしの知ってる萌苗ちゃんは、人を傷つけるような人じゃなかった!誰にでも明るくて、やさしくて、あったかい人だったのに…!!」
『勘違いしないで。アタシは萌苗じゃない』

言い終わるや否や、萌苗の尾が凄まじい速さで織姫に向かっていく。
双天帰盾で防御しようにも、一部のメンバーは一護の回復に向かわせてしまい戻らせる事が出来ない。その状況に思わず固く目を瞑った織姫だったが、一向に想像した衝撃が走ってこなかった。
不思議に思い目を開けると尾が眼前ギリギリの所で止まっており、現状に身体が冷えていくのを感じながら目線を後方に移すと、双天帰盾の範囲を越えた一護の腕が織姫を貫かんとしていた数本の尾を力いっぱいに掴んでいた。




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