降りしきる雪の音が聞こえる。そして、ザクザクと自分が降り積もった雪の上を歩いている音も。
自分の小さな足、てのひら。そして小さな身体に纏っているのは、黒い黒い死覇装。

『ギン!どこ行ってたの、ギン!!』

不意に、背後から声が聞こえた。
聞き覚えのある声。それは、自分に決意を決めさせた声。
それが心配したという色が含まれているのは、気のせいではないだろう。それくらい、自分は彼女を大切に想って生きてきた。

『それ死神の服じゃない…!どこでそんなもの…』
『決めたんや。ボク、死神になる。
死神になって、変えたる』
『乱菊が、泣かんでも済むようにしたる』

「ギン!!」

彼女の声が鮮明に聞こえた事で、朦朧としていた意識が現実に引き戻される。

― ああ、夢をみてたんか ―

彼女の声で眼は醒めた。けれど、声を出す力はない。身体も動かせない。痛みももう、感じられない。身体が重くて、冷えていくのがありありと感じられる。そして実感するのだ。
ああ、そうか。もう、自分は… …。

ぼやけた視界の中で、彼女が降りてくるのが鮮明に、スローモーションの様に見える。

― 乱菊−
−あかんかった。結局、乱菊のとられたもん、とり返されへんかった−
−ああ、やっぱり−

−謝っといて  良かった ―

懸命に名を呼んでも、ギンからの反応が無い。そして霊圧は一瞬の事で消えてしまいそうなほど弱くて。
思わず眼を見開く。一瞬時間が、呼吸が止まる。

彼が、逝ってしまう。

その事実に、自然と蘭菊の声が荒いでしまう。涙もとめどなく溢れ出し、ポツリポツリとギンの身体を濡らしていく。
背後に藍染が居るのは分かっていても、ギンが居る手前動けない。
ゆっくりと藍染の斬魄刀と繋がった右手が上がり、振り下ろされる。このままでは二人共殺られてしまう。と乱菊が危機感を覚えたその時、白い影が乱菊達の横を通り過ぎ、藍染の斬魄刀を受け止めた。




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