あらかた十刃の者に藍染への伝達を伝えた萌苗。
残るはグリムジョーにのみ伝えるだけとなり、萌苗は今まさに彼の部屋に向かっていた。

グリムジョーの部屋の前に着くや否や、萌苗はドアをコンコンとリズム良く叩く。すると、静かに扉は開き、中から眉をしかめたグリムジョーが出てきた。

「…なんだよ」
「藍染さんから連絡があって、今日いつもの時間に話し合いがあるから来なさい、と」

萌苗がそう言うと、グリムジョーは髪をガシガシと掻き「分かった」と低い声で囁いた。

「…ところで、左腕の調子はどう?」

そう言ってそっとグリムジョーの腕に触れた。すると、すぐにグリムジョーはその腕をガッ掴み持ち上げる。
萌苗は何事かと思い見上げると、グリムジョーは、至極真面目な顔をして萌苗を見つめていた。

「…グリムジョー?」
「お前…」

そんなに掴まれたのが嫌だったのか、と今度は萌苗が眉をひそめた。

「お前、まだアイツの事が好きなのかよ」

廊下に広がったグリムジョーの言葉。それは質問では無く確信を突いた口調で、萌苗を驚かせるには十分な効力を発揮した。
アイツ、とはきっと…否、多分一護の事だろう。

「…一護の事?彼なら、もう好きじゃな「とぼけんじゃねぇ!」」
「…で、何でアイツなんだ!アイツなんかの何処が良いんだよ!!」

突然、彼はどうしたんだ。
萌苗は訳が分からず顔をしかめたまま、俯いているグリムジョーを見た。

「グリムジョー…訳が、分からない」

途端、ギリッと手首を掴んでいた手に力が入った。




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