ウルキオラが元居た場所へ帰ろうと歩いていると、向こうから萌苗が走ってこちらに近付いてきているのが見えた。
「ウルキオラ!」
「…萌苗か。どうした」
「大変、織姫の霊圧が部屋から消えた」
「そうか、移動してる形跡は」
「…ないよ」
「…お前は此処で待っていろ。俺は着替えてくるついでに様子を見てくる」
一瞬にして、ウルキオラはその場から消えた。萌苗はウルキオラが向かったであろう方向を数秒見たあと、反対方向へと歩き出す。
それは、その先にうつ伏せに倒れたまま動かない一護が居るのを知っての行動。
先ほどの二人の戦闘によって一護の霊圧が消えたことに不安と焦りを抱いていたら、足が自然とこちらへ出向いていた。
もちろん織姫の話は嘘じゃない、突然にその場から霊圧が消えたのだ。だからこれから一人で着替えに行くであろうウルキオラにその旨を伝えて、何を言われても自分は一護の元に残ろうと考えていたのだが、あっさりと自分をこの場に残していったウルキオラに驚きを隠せなかった。
「…本当に死んじゃったの?一護」
萌苗はそっとしゃがみ込んで、ポツリと呟きながら一護の首にある脈へ指を合わせる。弱いながらも脈を打っているのが確認でき、ホッと安心して髪をゆっくり撫でる。
その時、萌苗の側でガラガラと瓦礫の動く音がした。
「!」
「…い……いち……ご…」
「ぁ…」
「…いち……」
瓦礫から姿を現したのはネルだった。そういえば、さっき一護と共に爆風で飛んでいた というのを思い出し、萌苗は急いで手を引っ込めた。
「……いちご?…いちご…」
「……」
「萌苗さ…ま」
「…っ」
ネルは一護の姿を見つけて声をかけるが、うつ伏せになったままピクリとも動かない。不安になり萌苗の名を呼ぶが、呼ばれた途端に視線を外された為、最悪の展開がネルの頭をよぎり、目から涙が溢れてくる。
「…う、うああぁあぁあああああ」
前に進み瓦礫から落ちるが、気にすることなく鳴きながら一護の元へと歩み寄っていくネロ。
その姿はとても痛々しく見えた。
「ぶああぁぁあああぁ」
「い゛ぢごっ いぢごっ いぢごぉ…いぢご…いぢご…」
「ネル、ちゃん…」
「しんじゃダメっス…いぢごっ…いぢごっ…いぢごっ…」
- 62 -
← →
ココロ
top
ALICE+