グリムジョーが吠えると、それに呼応するかのように萌苗の声が聞こえたが、それは彼を非難する声だった。
萌苗の方へ顔を向ければ、斬魄刀の切っ先が鼻に付きそうな距離にある。グリムジョーはそれに驚く素振りも見せず、むしろ機嫌が悪くなったとでも言うような顔をした。
「…あぁ?」
「一護を治して何をするかと思えば…あなたの欲求を満たすため?ふざけないで。あなたの欲求如きで要らん時間を費やすくらいなら、私が此処で一護を殺す」
「!?萌苗…?」
「邪魔すんじゃねぇ!」
「なっ…!!!」
「おいてめぇ!」
「!」
「てめぇが治されてる間に、てめぇを本気にさせてやるぜ」
「な…に!?」
「女、てめぇはソイツをとっとと治せ」
グリムジョーは一護と織姫にそう告げると、素早く萌苗の後ろに回りこみ切りかかろうとしたのだが、刀で受け止められそのまま弾き飛ばされてしまう。その間に織姫は 一護を回復させる決意を新たにしたようで、再び一護はオレンジ色の膜に覆われた。
「…やるようになったじゃねぇか」
「舐めないでよ」
そのまま互いの斬魄刀と四肢の激しい攻防戦が続き、最終的には仕返しとばかりに萌苗はグリムジョーに飛びかかり刀を振り下ろすが避けられてしまう。が、避けたグリムジョーの額の先には萌苗の指先があり、その指先には虚閃を放つべく光が集まっていた。光が放たれる直前にグリムジョーは萌苗の後ろに再び回り込んだ。
そして
「!!!」
目の前に広がる紅。胸の中心から左肩にかけて深く切られたと気付いた時には萌苗は地面に仰向けに倒れたあと。
背後の気配を感じられたが、虚閃を止めるには時間が遅すぎた。
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