暫く下を向いたままだったグリムジョーだったが、ゆっくりとした動作で口が開いていた。……そして

「…ウ……オオオオオオオオオオオオオ」

これ以上ないくらいの大声で叫んだ。
それは、空気の粒を震わせ空を伝い、ビリビリと大地と体内を圧迫する。

(何だ…!?音圧!?叫び声だけでこんな――…)

一護が思考を巡らせている間に、グリムジョーは地を蹴り一護の元まで高く飛び上がった。そして、目にも止まらぬ速さで一護の身体に強い一撃を喰らわせると、一護の身体は高速で二本の柱を砕きながら突き抜けていく。そのまま一護の身体を地面に激突させる事なく、素早くグリムジョーは彼の前に姿を現し、その身体を蹴り上げた。

「…く…そ…ッ」

連続で攻撃を受けた一護は、息も切れ切れに言葉を吐き捨てながら体勢を整えようとするが、後ろに回り込んだグリムジョーが勢い良く振り下ろした攻撃のせいでそれは叶わず、今まで攻撃を受け止めた中で一番大きな柱に激突した。
細身の男一人がぶつかったにも関わらず、攻撃の威力がいかに凄まじいかが分かるほど、柱は原型を留める事なく崩れ落ちていく。その光景をグリムジョーは冷ややかな目線で見つめていたが、腑に落ちない口調で言葉を発した。

「…どうした こんなもんじゃねぇだろ…。…出てこいよ―――」
「月牙、天衝!!!!」

先ほどとは逆転して、いつの間にかグリムジョーの後ろに回った一護は、最大限の力で月牙天衝を放つ。
巨大な一撃で風が揺らぎ、グリムジョーの身体は飲み込まれてしまったかと思っていだが、予想を反し掠り傷一つ付いていないグリムジョーは笑みを湛えていた。

「はははははははははは!いいぜ!黒崎一護!!!いい眼だ!!!」
「その眼が!!気に喰わねえんだよ!!!」

そう言うと再び拳での一撃を与えようとするが、一護が斬魄刀で受け止められた為直撃はまのがれた…が、やはり威力の強さは半減する事はなく、身体が壁にのめり込んでいく。

「どうやら…その仮面状態の保持時間は延びてるらしいな!前回の戦いから訓練したのか それともここまでの戦いでの無意識の上達か…。どっちでもいいが何よりだぜ こないだみてぇにすぐに仮面が割れちゃつまんねぇから…なァッ!!」

そう言いながら次の攻撃を仕掛けたが、その手を一護にガッと掴まれ、ギシギシと音を立てながら阻止されてしまった。

「仮面が割れたら…つまんねぇだと…?笑わせんな」

その一言に二人を取り巻く雰囲気が一気に変わる。
次に一護が取る行動を察したグリムジョーは、掴まれた手を素早く離し距離を取ろうとしたのだが時既に遅く、胸元を一直線に切られてしまっていた。切られた箇所から勢い良く血飛沫が飛び、剣圧に身体が吹き飛ばされ、二人の間に距離がひらく。

「…こっちのセリフだぜグリムジョー。つまんねぇから…」
「その解放状態、解くんじゃねぇぞ」




- 79 -



ココロ

top
ALICE+