(…終わった)

そう刀をゆっくりと降ろす途中で、まるで先程切られたことが嘘のような力強さで、グリムジョーが刀の刃を掴んだ。
気絶をしかけていたのだが、気力のみで持ち直したのだろう。まさかの出来事に、力を抜いてしまっていた一護に隙が出来る。

「!」
「…ふざけんじゃ……ねえぞ…!こんな…こんなもんで…勝ったつもりか…!?」
「この…俺によ!!!」
「黒崎くん!!!」

ドッと音がした。バチャバチャという音と共に、血が落ちる。一護の腹に、グリムジョーの手が突き刺さっていた。
ズッと腹から手を抜くと、すかさず一護はグリムジョーとの距離を取った。一度落ち着いていた息が、また上がってくる。

「…何だ……その眼は……」

グリムジョーは憎悪を露わにし、一護を見る。

「てめえはいつもそうだ…。どれだけ俺にやられても…、どっかで俺に勝つ気でいやがる…。俺より強いと思ってやがる…!」
「気に喰わねえんだよ!!!」

ザリッと、グリムジョーは踏み込み、拳を使って一護に強いパンチを喰らわせた。一護が後方に飛び退くも、先と同じくグリムジョーは素早く間合いを詰めて、二撃目を喰らわせる。しかし、それは刀に受け止められてしまう。
グリムジョーの攻撃を受け止めた衝撃で身体が意志に反して後ろへ下がる中、一護は余裕の笑みを見せながら、グリムジョーに向かい言葉を発した。

「ハッ…、何が気に喰わねえんだよ…。人間如きに対等なカオされんのが気に喰わねえか…!?」

そう挑発するも、グリムジョーは反応を見せず、新たに右脇腹付近を手で素早く突いた。衝撃で一護の口から血が吐き出される。

「ごあ…っ」

そうして動けない一護に、新たに足で攻撃する。下から真上に蹴り上げられ、一撃の身体は高く舞い上がった。それを見ながら、グリムジョーは右手を一護に向けるように翳す。




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