アナタノコトバ
最終章 役目












そうだね 忘れていたよ

ここはキミの世界だったね





キミは本当に頑張り屋さんなんだね



絵本を読み聞かせてあげたら

目を輝かせていたね

いつまでもキミは眠らなくて

物語に聞き入っていたね



怖い物語をどうにかしようと

嫌だ嫌だと泣きわめいて

文字を勉強して自分で絵本を読み出して

隠していた絵本を棚から探し出して

消しゴムで字を消して ページを破いて

新しい物語を描こうとしていたね



でも もう眠いでしょ?

もう寝る時間なんだから

ちゃんと眠らなくちゃ

明日も楽しく遊べないよ



ほら、見せてごらん

クレヨンで汚した手のひらも

ホッチキスでケガした指も

涙でグシャグシャになった顔も

みんな みんな

ボクが包み込んであげるから




大丈夫 終わりじゃないよ

・・・ううん 違ったね

「終わり」なんて言葉はないんだ

終わりも 始まりも

キミが決めることだからね

いつ読んでも どこから読んでも

どんなふうに読んでもいいんだよ

この絵本はキミだけの絵本だからね





・・・ああ、やっと眠ってくれた

よく頑張ったね お疲れ様




ボクは好きなんだ

キミが絵本を読む姿が

だから起きているよ

キミが寝付くまで

ボクはずっと起きているから



読み聞かせて欲しければ

いつでも代わってあげるから

眠ってしまったなら

きちんと本棚にしまっておくから



キミの世界を楽しむキミを

ボクが守ってあげるよ



それがボクの世界なんだから








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