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泣いている、気がした。
「………にも、言えなくて、眠れなくて、でも……やってみたらスッとして」
制服の女の子が目の前で泣いていた。
話をあまり聞いていなかった。パソコン画面を眺める、17歳。本日三回目の通院。左手に包帯を巻いている。典型的なリストカットの女の子。
「どうしてスッとしたんだろうね」
「……学校で、誰も私を見ていなくて、でも、…先生に指されたりして喋ると笑われている気がして、こんなのおかしいと思って誰にも言えなくて、いつもそればかり夜まで考えちゃうと」
…あぁそうだ今日だけで、何回目だかの話だった、これでは先に進まないな。えぇっと森下美幸ちゃん。あぁそうだ一回目に確かお母さんと受診したんだ。
………うーん、カルテ。前回もお母さんと来てるのに、今日はいないのか。平日の朝。しかし前々回も前回も同じく平日の朝だな。3回目だから規則性はわからない。
「やっちゃいけない、やっちゃいけないって」
「森下さん。昨日は何時に寝たの?」
「え、………えっと」
「覚えていたらでいいんだけど」
あれから悠は眠っただろうか。
あの調子で大学に行ってしまってはいないか、いや、それも反抗期だとしたら対応は間違っ「…今日になっちゃって」あぁ、そうだ。
「そっか、何時くらいかな」
「…覚えてない」
「自然と眠っちゃったんだね。それが一番いいことなんだよ。朝は何時に起きたかな?学校にアラーム、合わせてたの?」
「…うん、」
「じゃぁ…6時とかなのかな?そんなに眠れてないのかな?」
「…うん、多分」
「…今日は、お母さんはいらっしゃらないね。お仕事?
…学校前に一人で来てみた?」
「え、」
あれ。
なんか間違ったことを聞いてしまったかな。
森下美幸ちゃんは困惑して「お母さんはもう、薬を貰ってきなさいって」と言った。
…この表情、俺は一度この子からその旨を聞いているのかもしれない。
「…えっとね、まずはそうだね、眠れないのはなんでだろう?」
「え?」
「眠れない原因を考えて行った方がいいのかなって。
森下さん、眠くなったら寝てしまっているよね?まずは…学校なんていいから、自然に眠れたのなら自然に起きてみるといい。
だけどどんどん、昼夜が逆転してしまうこともあるんだけど…例えば今日はアラームで起きたのかな?」
沈黙をして森下さんは考えている。
「例えば、アラームを掛けたけれど、それで起きたには起きた。けど…なんだろうな、強制的にアラームに起こされた、まだどうしょもなく寝ていられたのに、なのか、…もう少しなんだろうね、アラームが鳴る時間あたりに起きられたのか、とか。こう…何て言っていいかわからないんだけど…」
「…あ、えっと…」
「そうかもしれない?」
「…うん。そう…かも」
「じゃぁそれには…起きたとき、なんだかずっと寝た気がしない、なのか、どこかでぐっすり寝ていたのか…。今日はでも自然に寝れていたんだよね?」
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