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自分が何となくおかしなことを言ってるんじゃないかと言うことはわかっている。腹が立って滑るように口からでた言葉に驚きもした。だからといって本心じゃないでしょ?と自分に聞くと、そうじゃないと言う。
そうか私はそう思ってたんだ。
周りを見るとマックでひとり。他のお客さんがちらちらと私を見ている気がする。気になって時計を見たら丁度18時だった。
ケータイで番号を呼び出した。四回目の呼び出し音で「どうした?」と優しい声がした。
「会いたいんだー。なんだかものすごく」
しばらくの沈黙の後、凄く神妙な声色で悠は言った。
『今日、妻が出張でいないんだ』
さっき美奈子にクズって言われたことも一瞬でどうでもよくなった。
「学校の近くのマックにいるから、今から学校の裏門にいくね」
電話を切ってすぐ、お母さんにメールした。今夜は美奈子の家に止まります、と。私はすぐマックを出た。
駐車場に自転車を置いて裏門へ行くと、悠の車があった。手を振って助手席に乗ってすぐ、抱きついてキスをした。
「ダメだよ、誰かに見られたら大変だ」
そう言うクセににこにこしてる。
「我慢できなかったんだね?」
私はいつからこんな女になったんだろう。
全部、あなたのおかげで、あなたのせい。
悠は車を走らせた。なぜだか凄く嬉しそうだ。
「何だか声がさ、凄く泣きそうだったからどうしたんだろうと心配だったんだけど、思い違いだったみたいだね」
「うん」
「君から誘ってくれるなんて初めてだから、なんかうれしいよ」
そう言えば今までなかったな。
悠の家に入るのは初めてだ。家の前に来る前までは、ドキドキして、嬉しくて。
だけど、玄関の靴箱を開けたとき、冷やっとした。
奥さんの靴が並んでる。二人の家は、綺麗に整頓されていた。
「どうしたの?」
「ううん、綺麗だね。奥さん、ちゃんとしてるんだね」
「あいつの話はいいよ」
後ろにいた悠が、急に抱きしめてきた。しばらくそのままにしておくと、お尻に堅いものがあたる。制服の上から胸を揉まれ、その気になる。しかし、少しすると離れ、
「ご飯、作ってよ」
と言われた。
「なに使ってもいいの?」
「うん」
それから私は麻婆なすとエビチリとサラダを作った。悠はおいしいと言ってんの食べてくれた。
それからは流れるようにお風呂に入って、セックスをした。ベッドから甘い匂いがする。
正直、生きた心地がしなくて、悠が寝た後もしばらく眠れなかった。気付かないうちに数時間だけ寝ていたようで、朝の18時くらいに起きた。
隣に悠が寝ている。それだけで、何だか幸せを感じた。
こんな幸せ、壊したくない。私だけの物にしたい。
私はベットの隣にあった台の、ライトの後ろにピアスを置いた。きっと奥さんが寝て起きたら目にはいるだろう。
朝ご飯を作り終わっておこす。食べて一緒に学校にいく、そんな当たり前なことが幸せ過ぎて、怖いくらいだった。
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