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『あん…あん』

部署に出勤して早々、おんなの鼻に抜けるような声が響き渡っていた。

「…」

驚愕を通り越して流星は脱力した。

『あっ、あん、あっ』

自分の隣のデスクで相方がパソコンを開き、真顔でアダルト的な画像を観ていた。

「おい貴様コラ」
「ん?
あーおはよー流せ…
あバカバカクソ野郎!えっと待って、戻して…」
「何してんだよクソ潤」
「は?」
「はじゃねぇよなんだお前朝から職場でぇ!」
「あ、うるさいうるさい。
あ、あ〜…。んのクソ鉄面皮、どこだかわかんなくなっちゃったでしょーが死ね!」

イラッとして一瞬にして拳銃を抜き、変態相方の後頭部に押し付けた。

「は?」
「何してんだって聞いてんだよこのアホ!朝からなんなのお前」
「何なのって観りゃわかんだろ痛い、禿げる、降ろせよこの腐れ公安!」

がんっ、と、頭突き宜しく後ろにぶつかり拳銃から荒々しく逃れようとする。
確かに大人げない。
仕方なく拳銃は下げ、「で、」と促す。

「始業前に何してるんですかこの猿頭。そう言うのは家でこっそり」
「俺も好きで見てる訳じゃねぇよバカ。TPOだよ?ねぇ職場でんなん変態じゃんか分かれよ単細胞」
「お前が言うかそれ、今!」

「あーもううるさーい!」と言いながら潤は頭を掻き掻き。イラついてパソコンを指差し「これ!」と再生する。

「やめろよこの発情…」
「しっ!ほらぁ、これ!」

動画をストップした。
どうみてもAVである。

「何ぃ〜、お前おかしいよ潤、」
「頭おかしくなりそうだよこれ!ほらよく見ろタコこいつ!指名手配のヤクザ!」
「何?」

漸く流星は覗き込んだ。
ばっちり背中に龍の入れ墨。
え?だからなんなのとポカンとしていれば「はい再生!」そしてあんあん。

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