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「何をしてたんだお前ら」
「はい、すみませんでした」
「すみませんじゃないんだよ。
大体壽美田、お前は呼びに行かせたよな」
「はい」
教官室にて、二人揃ってお説教。取り敢えず壽美田流星が「すみませんでした」を連発しているが、あまり効果がないくらいにぺらっぺらだった。
眠いなぁ。
「で?二人でサボってたわけか」
「まぁそうなります」
「そうなりますじゃないんだよ!ナメてんのか貴様!」
ついには教官、ブチ切れて机をぶっ叩き立ち上がってしまった。
「あ」
気付いた。
鼻毛出てるこの教官。わりとがっつり出てる。
「なんだ!」
「鼻毛出てますよ」
教官は固まってしまった。
そして震え、
「わかってるわぁぁぁ!お前人の話聞いてんのかクソガキがぁ!」
わかってんの!?
まぁ、そうだよね。すげぇ出てるもん。
怒りの導火線に火を着けたせいか、壽美田流星に裾を荒く引っ張られた。
なんか頼むように見てくるけどごめん、壽美田流星。俺それよく読み取れないわ。
「ナメてるよな完全にナメきってるよな貴様ら!」
「申し訳ありませんでした」
ワンランク上謝罪。凄いなぁ成人。
早く帰りたい。
「申し訳ないだ?何が申し訳ないんだよ?えぇ?答えられんのかコラ!さっきから謝ればいいと思ってないか?世の中そんな甘くないんだよ大体なんだ貴様ら、書類からしてなんなんだアホなのかおい!
お前はラサールだったなえぇ?鬼畜米国はどんな文化だか知らんがここは日本なんだよに・ほ・ん!神国ジャパンだよ!わかるか日本語!」
バカなんじゃね?こいつ。神国とか言ってるやつ、戦時中くらいの老人じゃないの、てか、
「神国っ…」
やべぇその単語地味にキた。マジウケる。
やめてくれという視線を壽美田流星から感じるけど、俺最初からこのつもりだし。いいんじゃね?めんどいし。
「あぁ!?何がおかしいんだてめぇ!
てめぇは確か犯罪者んとこの海軍訓練所のガキだよな?やっぱあそこの出は非常識が多くて困るんだよ!」
海軍訓練所?犯罪者んとこの?
「あ?なんだって?」
なんだこのクソ教官。
仮にもてめぇのいまや上司くらいにはなってる?わかんねぇけど、てめぇみてぇなヤツより人間出来とるわテロリストだけど。
「もういっぺん言ってみろこのクソ公務員」
「なんだてめぇ!」
「まぁまぁ…」
今にも食って掛かりそうな俺を壽美田流星が制するように間に入ろうとした瞬間だった。
教官が頭に血を登らせ、その場にあった飲みかけのブラックコーヒーのカップを手に取った。
運悪く壽美田流星の腕に掛かる。
うわ、それはあか…
殴った。顔を。壽美田流星が。
当たりどころが悪く、教官は少しよろけて尻餅をついていた。
うわ、マジかよ。
めんどい、てか何、キレやすくね?意外と…。お陰で冷めたわ。
「て、てめっ、」
「パワハラだクソ野郎。今から公安に掛け合ってやる言い訳すんならDNA鑑定かけて行政機関に持ってって弁護士呼んで戦ってやるよ」
「え?なにそれ」
しかも若干ズレてる…。
「懲戒免職もんだな。証拠はこれだけだ奥さんと子供に遺書かいとけよクソが。あーあっちいな80°くらいあんじゃねぇか火傷だ、火傷全治二週間の医療代出せよおらぁ!
大体なぁ、人のこと鬼畜米国だの犯罪者だの言ってるがてめぇも今から傷害罪で逮捕だこの野郎。なんだコーヒーって。ふざけんなよ鼻毛野郎。てか身だしなみくらい整えろ良い歳こいてバカみてぇに鼻毛伸ばして香水付けやがってラリッちまうわてめぇシンナー中毒かこの!」
すげぇ捲し立てで壽美田流星はそのデスクをガンっと蹴りあげる。
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