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「お前が逃げてるからに決まってんだろ」

 彼は僕にそう言いました。


「いつもいつも、俺、お前と友達からやってやったと思ってんだけど、逃げてたよな、なぁ、なんでかな?」


 壁に僕を押さえつけてね。両親の前では間違いなく見せないような、なんか、憎悪の籠ったような顔で言いましたよ。

 で、ころっと表情を変えて言ったんです。

「あぁ、姉ちゃんにぜーんぶ話したよ?お前と俺のこと」

 って。
 …頭真っ白になりましたよ。


「凄くショック受けたみたい。挙げ句死んじゃったね。
 ヤらしてくれたらよかったんだよって教えてあげちゃった。あんたのせいで弟が可哀想だねって。思い出したらほら?どーすんの?」


 お姉ちゃん、ショックだったって……。

 僕は許せなくて、でも、僕が素直に言うことを聞いていれば、変わりやってれば何も起きなかったんだって、そう言われて、もう………。

 ぼ、僕って何も出来なかったんだって、お姉ちゃんはいつも僕を守ってくれてたのに、僕が、もう大変なことをしてしまったんだって、どうしていいか、わからなくて、

「…大丈夫だから。落ち着け加東」

 でも、だって、もう何も帰ってこない、でも、そもそもこの人が歪んでしまったのも、全部、僕のせいなんだって、……いや、違くない、あの人ずっと………僕と、姉が仲良く帰ってるのとか、羨ましいって、だから僕は間違えてはならなかった。振り返れば沢山、出来ること、あったのに。

 ……っだから、せめて、暗い喜びに変えることにしたんですこの人も、お姉ちゃんが好きだったからって。だからしょうがないんだって。

 …違かったとしてもですよ?どのみち寂しい人じゃないですか。最初に言いましたけど同情もしてますよ。

 …いや?僕って案外嫌なヤツですよ。そうでしょ?だから皆に気を使うんですよ?きっと、多分。

 仕事の仲間は、好きですけどね。皆良い人。本当に。
 先輩もね。もう言いませんけど、迷惑でしょうし。

 許せないのは自分のこともですよ、だから、考えるようにしたんです、忘れないように、お姉ちゃんあのときどんな気持ちだったんだろうって、こんなことまでして。萎えるとかはぁ?ふざけんなよってそこは押し通すことにしたんです。だって、お互い…人殺しだもん。

 …いえ、僕は自分を人殺しと責め続けます。ダメなんです、そうしないと。

 …もしかしたら死ねるかもとか、そんなんじゃないです、こんなことしても無意味だけど、違う。生きているからやるんです。

 これさえあれば快楽も、そう、楽なんですよ。最初は僕に殺されるんじゃないかってあの人思ったみたいですけどね、そんなことしない。しても、リスカより意味ないし。

 …それは、ただの自己満足で、もう、充分僕も頭おかしいですよ、安心するとかヤバいでしょ。あぁヤバいな飛びそうって時にふと血の匂いがすると、最低だなって思うんです。
 滑稽ですしね。そんなことしてるなか手首切ってるとか。

 ねぇおかしいでしょ?

「そうだな、おかしいよ」

 ……安心した。あぁ、よかった。
 こんなクソみたいな話、すみません。なんかもう、死んじゃっても良いかも……ホントズルい。嫌なヤツ。

「死ぬなっつーの、違えよ伝わらねぇな」

 「…………頑張ったから、……………苦しんで、…………大丈夫だよ」

 ……温かい。

「お前そんな、強くねぇから。みんなそう」

 ……そうかも。ですね………。
 なんか…ちょっと、安心したら、疲れたなぁ…眠くなってきちゃった。
 良い夢、見れるかなぁ………。

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