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月にオブラートがかかるのが見えた。ここにいれば、泣いていても気が付かない。
もうこれが最後なんだと思えば、諦めのようなものが粘着して糸を引いていた。
『夢みたいなの』
うっすらと涙の膜が張った君の目を見たときから、僕は溶け出したのかもしれない。
ガラスのような、水のような君といることは、どこか暖かくて胸がちくちくとした。どこかに、発狂しそうなほどの感情があったのだ。
『なんで哀しそうなの?』
君に初めてそう言われた時ですら、泣かなかった。
『私は汚れました。私の中には、----の子供がいます』
なんで僕は、君を守れなかったんだろう。
結局、僕と----は同じ仕組みなんだ。
僕は苦しさに目を閉じた。
どうしてこんなことを思い出すんだろう。
うっすらとする意識の中で、君がここを選んだ理由がやっと分かった気がした。
あの日から僕は、ずっと君を探していた。こんな冷たいところに君はいたんだね。
君が言いたかったのであろう言葉で、君と同じ場所で、僕は君に言う。
『さようなら』
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