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アラームを切って目覚めるとそのまま、昨日送ったコメント画面に切り替わった。
自分が送った時間の1分後には「サメ?好きだよ」「どうしたの?」2分過ぎて「Tシャツ?」と返ってきていた。
え、時間は0:53。こんな時間に即コメ?
この感じ、かなりゆったりしていると…例えば激しめな運動をしていたりしたらこんな…「Tシャツ?」の間。
こんな風にはならないだろうと思ったら体が動き「そう!」と送っていたが、そのあとなんて返すんだ?と迷って醒める。
そもそもなんで送ったかなんて…無難な考えだった。
なら、今度いつ会える?
……こちらから送ったのは初めてだった。
大体は「今日暇?」とあちらから来るのだ。
あぁ、目も覚めてきた。残念にも股間が少し反応してきて、腹が立つなと右手の中指と人差し指で根元を挟み押さえ付けた。
バカ野郎め、俺。
既読はまだ付かない。まぁ、8時か。いつも会うとしたら夜だもんな、昨日がたまたま昼だっただけで。
じゃぁ仕方ねえかとそのまま股間を弄ろうとした瞬間既読が付き、「今日か来週の水と木」と来た。
今日は自主午後休にしようとも思ったが、いや、こういうのは事前予約が必要なのか?とも過り、「来週開けておいて」と更に、「ちょっとつきあ」消し「ちょっと手伝って欲しいんだ」と送った。
素っ気なく「わかった」とだけ来て、やっぱり少し寂しいなと、「時間とか決まったらまた送る」と送信した。
…一限のために起きたけど、まぁ、5分なら…と、ちゃっちゃと抜いたらやっぱり不安になった。
こんなことをしちゃいながら、なんというか、もっと深く、セフレでもない関係がいいなんて…。
風呂に入って大学に向かった。
調べようにも、電車はいつも通り満員だ。
大学の椅子に座りふう、と、まずは冷静に…いや、これはもう勢いでしかないなとそのまま調べた。
ホームページに入る。
当日券はあるらしい…。あぁ、でも予約もあるな。ただ、当日の方が自然だよな、変な気を使って払ってあげました…だと、まるで彼女にやるようで居心地が悪くなりそうだ。
催し物、展示の詳細があった。へぇ、アザラシって、あれ?なんだっけ。ショーとかあるもんなの?
ペンギンは逆にないのか、変わってる…。ん?イルカは終わっちゃうの?そういうものなのか…でもなんだかんだイルカショーって、見たことないんだよなぁ。企画展は「危ない生き物」…あ、興味湧いてきた。面白いかも、やっぱりクラゲやカエルなんだろうか。
「よっ!」
肩を叩かれビクッとして友人を見た。いつもの、微妙に変な剃りこみ金髪の和田だった。
「何夢中になってんの?彼女?」
「…まずはおはようから始めないか、和田」
このゼミでは和田しか友人が居ない。正直人目に付くから少し距離を置きたいのだが、和田自身はハツラツとして良い奴だ。
意外とこういうやつ、そっちでモテる気がしなくもないが、和田は今のところ完全なノーマルだ。いや、ノーマルを屈服させたい系も多分いるし、自分もどこなのかはまだ、わかっていない。
「おはよう、で?なにそれ1人じゃないよな?」
「…明日から人生初、画面保護シート貼るわ」
「ふーん」
和田は後ろを通り隣に座った。
動かしにくいが面倒なので、右手側にスマホを置く。
「この時期にはサイコーだよな、水族館」
「ソーダナ」
「で、誰と?」
「お前が知らない人です」
「夏休みだしな。俺は海で女引っ掛けてくるわ。今年はお前誘えねーじゃん」
「別にいーわ。去年行ったし」
「一回な。あの時の集まりっぷり半端じゃなかったよな。もう3、いや、5人でアレしちゃう?的な」
「あっさり帰られたけどな」
「あんときの?」
「んなわけねーだろ。知ってんじゃん」
「じゃぁバイトのあざといっつってた女の子?」
「違う。何この尋問」
話しているうちにチャイムが鳴った。
…あの時お流れになったのは多分、自分が微妙な態度だったからだろう。
なんでだろう。こっそり1人お持ち帰りしたしあっちもその気だ、盛り上がったのに何かが違うと感じた。勿論おっさんが頭を過ぎったのは、なんだったんだろうと今ならわかる。物足りなかったのだ。
シノとのセックスはいつも、早いような遅いようなだ。かなり頑張るし相当疲れる。女はもう少し早いがそう…体温も重さも違うのだ。これが「開発」というやつなのだろうか。
多分シノとのノリで女を抱いたら相手との体力や体位に違いがあるだろう。
シノの前に女とも遊んだことはある。が、どうも満足する前に終わっていた。どちらとも遊ぶようになったら、断然体格差だと気付いた。
…そういえばシノは多分、身体、柔らかい方だな。いつも夢中で気が付かなかったが。そういうタイプの店でゴツい男と…となると途中で飽きるし硬い。その点シノは丁度良いかもしれない。
シノはどんな顔をして女を抱き……あれ?そういえばシノはどんな顔で抱かれていたっけ、俺に。
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