壁を直す時に借りた用具を用務室に返却し、3人に案内されるままに教室にいく。ここが1年の教室だよと言って虎杖くんががらりと扉を開いた。前に設置された黒板と教卓、それから横一列に並べられた4つの机を見て、私はおお、とちょっとだけ感動する。

「教室って本当にこんな感じなんだ……テレビでしか見たこと無かったわこんなの」
「霙さん学校行ってないの?」
「行ってたけどもう900年は昔のことだしなあ……」

 遠い目をしながら言う私。うん、どう考えても遥か彼方の記憶でしかありませんねー

「というかあの時は学校って名前ですらなかったな。教え処って呼んでた」
「教え処……」
「時代って感じね」

 ガタガタと各々席に座るので私も空いた席に適当に座った。因みに教卓から見て右から伏黒くん、虎杖くん、釘崎ちゃん、私の順番だ。ぎっこぎっこと椅子で船を漕ぎながら虎杖くんは言う。

「にしても何するんだろうな」
「何か作るとは言ってたけど、予想はつかないわね」
「確かに」

 うーんと私も考えながら腕を組む。この世で生きていくのに必要なものって、一体なんだろう。そんなことを考えていると、がらりと前の扉を開けて言い出しっぺの五条さんが入ってきた。

「お、揃ってるね〜感心感心」
「そういう先生は遅刻ですよ」
「せんせー、俺たち何作んの?」
「気になるかい? んじゃ発表します!」

 どん、と両手を教卓について得意げに言い放った。

「本日僕たちが作るのはぁ……霙ちゃんの戸籍です!!」
「「「戸籍ぃ!?」」」

 思わぬ答えに子どもたちが驚いたように声を上げる。一方私はそれを聞いてなるほどと割と納得していた。

「あー確かに私、この世の人間じゃないから普通の人が持っているようなありとあらゆる記録が存在しないんですよね」

 高専内はまだしも外では一応人間として振る舞わなきゃいけない以上、何かあった時に人間だと証明できるものがないと困るだろう。意外ではあったけど、作んないとやっていけないという表現は確かにそうかもしれない。

「でも作れるもんなんですか? 戸籍なんて」
「フフフ……僕を舐めてもらっちゃ困るよ」
「そんな違法作業はお手の物みたいに言われても」

 それどこの世界の安室透トリプルフェイス

「というかみんなで作る必要あります?」
「わかってないなあ、こういう小さなことの積み重ねで結束を高めていくんだよ」
「戸籍づくりで高まる絆とか聞いたこと無いんですけど」
「まーまーそういう細かいことは置いといて。ほら、テンション上げて!」
「よっしゃー!」

 五条さんに乗せられるままに拳を突き上げる虎杖くんと、すっかり冷めた様子のふたり。普段からこんな感じなのかな……先が思いやられる……。

「まず何から決めていこうか」
「そういえば霙さんって苗字なんていうの?」
「確かに、フルネームはまだ聞いたことがなかったわね」

 釘崎ちゃんの言葉に私はしれっと答える。

「苗字? 無いよ」
「無いの!?」

 がたりと立ち上がる勢いで驚く虎杖くん。そんなに驚くことかなと思いつつも、彼らと私は生まれた時代も生きてきた世界も違うのだから一概には言えないだろうと言葉を飲み込んだ。

「父さんも母さんも生前の苗字あったかどうかも覚えてないって言ってたからね。決めよーとか前に家族会議したこともあったけど結局決まんなかったし。ま、無くてもあの世じゃ別に不便でもないしね」
「そういうもんなんですか……」
「じゃあ最初に苗字から決めちゃおっか!」

 チョークを手に取って五条さんがこちらを見る。

「何か希望とかある?」
「私としてはよっぽどヤバくなければ別になんでもいいんで適当でいいですよ。いくつか候補出してアミダしましょ」
「えー?」

 やる気のない私の発言に五条さんは少々不満そうだ。なんであんたがそんな顔するんだ。
 すると釘崎ちゃんが頬杖をつきながら目をきらりと輝かせる。

「でも人の苗字決める機会なんてなかなかないし、折角ならこだわりたいわね」
「キラキラネームにしようぜ! キラキラネーム!!」
「こらこら、人の名前で遊ぶんじゃないよ」

 と言いつつ楽しそうな五条さん。あんたも人のこと言えないぞ。
 ……そうして私の苗字決め会議は始まった。

「やっぱどうせならあの世っぽさは入れたいわよねえ」
「『地獄谷』とかどう!? 『地獄谷』!」
「昔のヤンキーマンガかよ」
「えー? じゃあ『鬼塚』は? 強そうだろ?」
「鬼に鬼塚って……」

 そのまんますぎんでしょ、と苦言を呈す釘崎ちゃん。色々言われて不満げな虎杖くんがむすっとした顔のまま訊ね返した。

「そういう釘崎はどうなんだよ。なんかいい案ねえの?」
「え? うーん…………『西園寺』、とか?」
「それこそ昔の少女漫画みたいじゃんか。しかもあの世要素もねーし」
「うっさいわね!」

 少々キレ気味に釘崎ちゃんが叫んだ。でも『西園寺』は確かに、ちょっとキラキラしすぎかな……少女漫画のヒロインにいそう。すると、黒板に今まで出た候補を書いている五条さんも思い付いたように候補を出してきた。

「やっぱここは面白いやつがいいんじゃない? 『月見里やまなし』とか『四月一日わたぬき』とか」
「悪くないんですけど、正直ギリ読めるくらいがいいですね」
「テキトーだったわりに注文多いなぁ」
「雲行きが怪しくなってきたんで……」

 希望はないと言ったけど、それイコール変なものでもいいというわけではないのだよ、決して。それが公式に記録に残るものなら尚更ね。
 すると今まで様子を窺っていた伏黒くんが口を開いた。

「……ここは無難に『中村』とか『鈴木』でいいんじゃないか。派手過ぎても良くないだろ」
「嫌よ! そんなありきたりなの!!」
「嫌って……釘崎が使うわけじゃねえんだから別にいいだろ」
「伏黒くんの意見にはおおむね同意だけど、虎杖と伏黒と釘崎の中にいる中村とか鈴木は逆に浮くからちょっとな……」
「ほら、本人もこう言ってるじゃない」
「……」

 ちょっと不満そうな伏黒くん。な、なんかごめんよ……。

「うーん、名前考えるのって楽しいけど難しいなー」

 両手を頭の後ろで組んで思い切り椅子にもたれながら虎杖くんは言った。
 その後いくつか候補が出るも、なんだか違うなということで一向にに決まらない。黒板には苗字候補が増えるばかりで、すっかり平衡状態に陥ってしまった。どうしたものかなーと思ったその時。

「『黄泉月よもつき』」
「え?」

 ……ふと、声が響いた。
 あまりにも唐突だったため私は思わず聞き返してしまう。声のした方を見ると、虎杖くんの頬に見慣れた口が浮かび上がっている。どうやら今のは宿儺さんが提案したらしい。

「黄泉の月と書いて黄泉月はどうだ」
「黄泉月……」
「宿儺、意外とノリノリだな」
「当たり前だろう。小童の名を決めるというのなら俺が参加しない訳があるまい」
「んで? 宿儺はこう言ってるけど、どうよ霙ちゃん」

 五条さんに話を振られ、顎に手を当てて考える。何度も口に出してその音の響きを確かめた。

「黄泉月霙……よもつきみぞれ……うわ、意外と悪くないかもしれない」
「だろう」
「え!? マジで!?」
「嘘でしょ!?」

 あっさり肯定した私の返答に、子どもたちは驚いたようだった。

「ちょっと派手すぎる気もするけど、言葉の響きが好きというか……。今まで出された候補の中だったらぶっちゃけ、個人的に一番しっくりくる」
「そんなあ、俺の『地獄谷』だってよかったでしょ?」

 虎杖くんが不満そうな顔で言う。ごめんけどそれは一番ないやつだ。微妙な顔をした私に彼はがっくりと項垂れてしまった。

「んじゃ苗字は『黄泉月』で決定〜」

 五条さんは黒板に『黄泉月霙』と書き、そのままぐるりと囲んだ。

「じゃあ次は生年月日かな。年齢は何歳くらいにしとく? 素直に1000歳以上にするわけにはいかないし、いっそサバを読みまくって16歳とか――」
「ぜっっっっっっっっったい20歳以上にしてください」

 食い気味に私は言った。その真剣な顔に五条さんは少々たじろぐ。

「え、なんのこだわり?」
「流されて16歳にしようもんなら合法的にこの世界で酒が飲めなくなるじゃないですか!!!! それだけはヤです!!!!! 絶対!!!!」

 私から飲酒の楽しみを奪おうとするんじゃない!!! 私のあまりの力の入りように五条さんはひひ、と笑った。

「ウケる。やっぱ鬼って酒好きなんだ」
「結構個人差はありますけどね。私は好き」
「霙さんって酔ったらどーなんの?」

 興味津々と言った感じで虎杖くんが聞いてくる。まだ未成年だからお酒というものに憧れがあるのかもしれない。

「そこまで顕著に変わったりはしないかな。ちょっと顔が赤くなって笑いが止まらなくなるくらい」
「くらい……?」
「十分すぎる気もしますけど」
「ま、もっとヤバい人はやばいから」

 弱いくせにしこたま飲んで翌日後悔してる中国神獣とかな。あれと比べれば全然理性保ってる方だよ。ちゃんと帰りも自分の足で帰ってるしね。

「あ、そうだ五条さん、今度飲み比べしましょうよ」
「ざーんねん。僕下戸だから飲めない」
「はあー? つまんな」
「辛辣う」

 ケッと吐き捨てる私を傍目に「じゃあ20歳ってことで」と五条さんはチョークを動かした。

「そうだ、霙ちゃん誕生日いつ?」
「覚えてないです」
「誕生日、覚えてないんですか」

 私の返答に伏黒くんが意外そうに目を丸くした。虎杖くんもへええ、と驚いた様子だ。

「そんな人いるんだ……いや鬼だけど」
「元から割とあやふやだったんだけど、明治あたりで新暦に変わってからわけわかんなくなっちゃって。それで細かいことを考えるのは止めたの。今は覚えやすいから1月1日に正月と一緒に祝ってるよ。まあ1000年も生きてれば1年とか正直誤差でしかないけどね」
「明治……新暦……」
「さっきから教科書でしか見たことないようなワードがポンポン出てくるな」

 絶滅危惧種でも見るかのような感じで見てくる子どもたち。そっか、明治ってもう100年も前か……時間が経つのは残酷だな……(遠い目)

「じゃ1月1日にしとこっか」
「はい、それで」
「じゃあ次は……」


***


「よし、こんなところかな」

 決まった私の個人情報を紙に書き込みながら五条さんは言う。どうやら入学用の書類を同時に作っていたみたいだ。確かにその書類作るなら戸籍情報は必要だわな。

「なんだかんだ疲れたわね……」
「軽く小腹も減ったし、どっか食いに行く?」
「そうだな、一緒に――」
「あそうだ。この後悠仁と恵と野薔薇は任務ね」
「は」
「ええ!?」

 さりげなく告げられた事実に3人がすごい勢いで五条さんの方を見た。だけど当の本人はどこ吹く風と言った感じである。メンタルつえー

「大丈夫。報告じゃそこまで強くはなさそうだったし、早めに終わるでしょ」
「はあ……呪霊ももうちょっと空気を読んでくれないかしら」
「あの五条さん、私は?」

 名前を呼ばれなかった私はそっと手を上げながら尋ねる。

「霙ちゃんはこれから施設内案内してから健康診断と制服用の採寸して、みんなと合流ね」
「ま、マジっすか」

 がっくりと肩を落とす私。どっちもやだぁ……。

「……健康診断ってことは、採血もしますよねぇ」
「もちろん」
「やっぱりそっか……うへぇ、注射やだなあ……」
「え、霙さん注射怖いの? 鬼なのに?」
「鬼だからだよ」

 釘崎ちゃんの言葉に私は苦々しい顔で答えた。

「鬼は皮膚も強いからさ、人間用のやつより針が太くて痛いんだよね……だからちょっと苦手」

 毎年獄卒は健康診断を受けさせられるけど、あれが本当に嫌なんだよね……。思い出しただけでちょっと寒気がする。
 するとそんなげんなり顔の私たちを励ますかのように五条さんが言った。

「そんな顔しないしない。あ、終わったら全員でご飯行くからそのつもりでね」
「マジ!? やったー!」
「今度こそスーシーリベンジよ!!」

 素直に喜ぶ虎杖くんと目を輝かせる釘崎ちゃん。でも私は少々困惑気味だ。

「昨日も行きませんでした? そんなに頻繁に言って大丈夫です?」
「行ったけど霙ちゃん食べなかったじゃん。それに今日のは歓迎会兼親睦会だからいーのいーの」
「はあ……」

 理由が結構アバウトな気もするけど、五条さんのお金で美味しいご飯が食べられると思えばそれでいっか……。

「それじゃあ行ってきます」
「霙さん、また後でね!」
「みんなも気を付けてねー」
「今日こそはザギンでシース―だからね!!」
「後で予約できるか確認しとくよ〜 門のところで伊地知が待ってるから、とりあえずいってらっしゃーい」

 3人と別れ、私は五条さんに一通り校内を案内された。閻魔殿には負けるにしても、ここもそこそこな広さがあって覚えるにはしばらくかかりそうだ。ここから抜けると職員室があって〜と案内されながら私はふと思ったことを口にする。

「そういえば五条さんってみんなのこと下の名前呼び捨てなのに、なんで私だけちゃん付けなんですか?」
「え? 呼び捨てで呼んで欲しかった?」
「いやまったくそういうつもりじゃないんですけど」
「僕としては特に深い意味は無いけど、もし嫌なら同じように呼ぼうか?」
「だから別に(どうでも)いいです」
「君ほんと僕に当たり強いよね……まあ先生だから許しちゃうけど」

 ははは、とあまり感情の籠っていない笑い方をする。
 ……まあ、五条さんに対して当たりが強いのはちょっとだけ理由に心当たりあるんだけどね。ただそれが「軽薄な感じが白澤さんにどことなく似ているから」というとてもじゃないが本人に言えるような理由じゃないってだけで。

「というか君だって僕のこと五条さん呼びじゃない。いいんだよ? 五条先生って呼んでも」
「……考えときまーす」
「絶対呼ばない奴じゃんそれ」

 その後補助監督の新田さんと合流し、空いている部屋で制服用の採寸をすることになった。メジャーで長さをはかって記録をとる。

「何かカスタム希望はあるっスか?」

 新田さんにそう聞かれたので無理も承知で頼んでみることにした。

「出来れば和服……もし無理ならロングスカートにしてほしいです」
「了解っス」

 話を聞くに、届くのは早くても2日くらいかかるらしい。それまでは好きな格好でいいんだと。あーどうなるかなあカスタム希望……せめてミニスカートだけは回避したい……。
 それから五条さんに案内されるままに医務室へ向かった。医務室、というよりは手術室という言葉が似合いそうなほど殺風景なその部屋にいたのは白衣姿の女性である。名前を家入さんと言うらしい。美人さんだけど目の下にうっすらクマがある……お疲れなのかな?

「では早速検査を始めようか」

 家入さんは薄く微笑みながら言った。その手には注射器が握られている。
 私はそっと目を逸らしながらつぶやいた。

「お、お手柔らかにお願いします……」


***


「はいお疲れ様」
「……おつかれ、さまです……」

 1時間ほどして検査が終わり、私はぐったりとした調子で部屋から出た。鬼の身体の丈夫さを面白がられたせいでなんだかんだと検査が長引いてしまったのだ。検査……検査というより後半はほぼ実験だったような気がするのは気のせいかな……?

「きゅー!!」
「うーわグロッキーだね」

 心配そうな様子でこちらに駆け寄り、私の頭に思い切り触手を巻きつけるキューちゃん。片やウケる〜と半笑いになりながら私の写真を撮り始める五条さん。あんた本当に教師か?? ちったあキューちゃんを見習え。

「悠仁たちもさっき終わったって連絡来たからいこっか」
「はい」

 あー美味しいご飯楽しみだなあ。そんなことを思ってたらふと部屋から出てきた家入さんに呼び止められた。

「霙、これ忘れてるよ」
「あ、すみません」

 家入さんの手にあったのは帯にさしていた白澤さんから貰ったピアスだ。着替える時に外して戻し忘れてたらしい。あぶねーあぶねー 受け取って帯に差し込もうとしたところで五条さんが「ちょっと待って」と止めた。

「どうかしました?」
「これ、何?」
「何って……ピアスですよ。知り合いから貰ったんです」
「知り合いってどんな?」
「たまにお世話になってた白澤さんという方に頂きました」
「白澤……って、あの中国神獣の?」
「あー、まー、はい。一応」

 あれでも一応神獣なんだよなー ぶっちゃけほぼ人の姿してる&中身がスケコマシなせいであんまり自覚がないけど。そんなことを思っていると、じっとピアスを見ていた五条さんが笑い始めた。なんで急に?と思っていると、その理由を教えてくれる。

「霙ちゃん、それすごいよ。かなりの呪力が込められてる」
「マジですか」
「うん。君や側にいるキューちゃんこの子の呪力がすごいからわかりにくかったけど、これも立派な呪具だね」
「うっそ……」

 そういえば確かに渡された時に『呪いまじないを込めた』とは言ってたけど、まさかこういうガチの奴とは……やるときはやるじゃんあの白豚。技術だけは信用できるって本当だね。技術だけは(念押し)
 ふむふむと見ながら五条さんは続ける。

「見たところ厄除けの術式もついてるみたいだ」
「厄除けにしては私、これを持ってから全然厄除けられてないんですけど」
「うーん……多分、君の呪力と相性が悪いんだろうね。あんまり効いてないっぽい」

 相性悪いとかあるんだ……。でも確かに、天国暮らしの吉兆の神獣と地獄の鬼(呪術師志望)じゃ相性悪いっていうのもわかるかもしれない。
 すると五条さんがある提案を持ち掛けてきた。

「そうだ、これ僕に売らない?」
「五条さんに?」
「そ。装飾品タイプで厄除けの術式まで持ってる呪具は珍しいし、これは出来もいいからね。最低でも1億はくだらないんじゃないかな」
「いっ……!?!!」

 そんなに!? これそんなにするの!?? 「これならお揃いにならずに済むかなー」って思いながらふっつーに帯にさしてましたけど!!!??!

「で? どうす――」
「売ります」

 即決だった。いや即決以外ないでしょこんなの。
 でも五条さんは私のあまりの即決ぶりに逆に戸惑ったみたいだった。

「え、いいの? 大切な物かと思ったんだけど」
「デザインは気に入ってますけど、厄を除けられない厄除けなんてただの飾りですよ」
「めちゃめちゃ割り切ってるじゃん」

 じゃあありがたく〜と五条さんが受け取った。ごめんね白澤さん。あなたの犠牲は忘れないからね。でもだって、流石に1億円には代えられねえよ……。

「さて、気を取り直していきますか」
「そういえば今日のお店はどうなったんです?」
「店の予約がいっぱいだったので焼肉にしまーす」

 明らかに嘘っぽい口調に私はじとりと隣を見やる。

「……それ釘崎ちゃんが聞いたら怒りません?」
「なんのことかな?」
「悪い大人だあ……」



 苗字が決まって神獣からの贈り物を即決で売った鬼獄卒
 →使えるものは使わないとね(ちゃっかり) でも調べてみると術式的に厄除け効果があるのが霙限定だったことが判明。「霙ちゃんの呪力を込めれば厄除けとして仕事するから」と白澤の呪力を抜いた状態で返される。だけどそうすると今度はキューちゃんと宿儺があんまりいい顔をしないので、結局ただの帯飾りに成り下がってしまうのだった。
 因みに呪力相性の話もだいぶねつ造。白澤さんが使うの呪術っていうよりもっと神聖な感じなんじゃね?と思ったのでこの設定が出来ました。


 霙の交友関係の広さに驚く担任
 →いや中国妖怪の長の白澤とも知り合いとかどんな交友関係??? 多分麒麟と鳳凰も知り合いにいるって言ったら流石に「……マジ?」ってなる可能性大。


 ノリノリで個人情報を決める1年ズ
 →実は自分の提案したものが採用されなくてちょっとだけ不満だったり。その後ご飯がシースーじゃないことで釘崎はめちゃ文句を言うけど、結局なんだかんだ肉は美味しいから丸め込まれてしまうのであった(平和)


 ノリノリで検査する女医
 →流石に鬼をこの目で見るのは初めてなので密かにワクワクが止まらない。「今度個人的に"検査"させてもらえないかな」「え、遠慮しときマス……」


 苗字が採用されてご満悦な呪いの王
 →「そうだろういいだろう。当たり前だ、俺が考えたんだからな」と内心得意げ。実は言わないだけでずっと白澤のピアス(帯飾り)にはムカついていた。なんだあれは、牽制のつもりか? こいつは初めから俺のものだぞ、許可なく触れるな。……これによって、一度も顔を合わせていないのに『神獣vs呪いの王』の戦いのゴングが鳴り響いたとか響いてないとか。


 即決でプレゼントを売られた神獣(相性が悪い)
 →本人がいないところでなかなか酷いことを言ってくれるじゃないか……!!




 次回、「アルカイックスマイル(拝)」
 お楽しみに!