04
「海軍たちもそろそろ引き上げたそうだ。見回りくらいは居るだろうが、買い出しついでにお前の荷物を纏めて持ってこい」
「ローくんは来てくんないの」
「誰が行くか。クルーを連れてけ」
「けち。じゃあベポくん」
「わあ、ニアとおでかけ!」
隣にいたベポくんは嬉しそうに声をあげたあと、楽しみだねえと俺と顔を見合わせる。
「おいベポ、お友達じゃあねェんだぞ」
「スミマセン……」
何故だか結構打たれ弱いベポくんはどんより沈んでしまっていた。
「ベポじゃ目立ちすぎる。ペンギン辺りを連れて行け」
「ペンギンくん。ペンギンくんね、了解だよ」
「あとは買い出しのリストを渡しておく」
ずらりと書き連ねられたそのリストは細かい字で書かれてあって、その量もさることながら種類も多い。
日用品から食品、果ては書物や医療器具。こんなの全部回りきってたら日が暮れそう。
「多くない?」
「働かざる者食うべからず」
「仰る通りです船長さま」
それじゃあペンギンくんにお願いしにいきますかねとおれは踵を返すのだったが、背中に向かってローくんが声を掛けてくる。
「おい」
「なーに」
「……日暮れまでには戻れ」
「わかったよ、ローくん」
ローくんの言うことならなんだって聞くからね。とは言え結構な量になりそうなので、おれはシャチくんも誘おうと考える。
部屋に残ったローくんとベポくんに、ひらひらと手を振った。
◆
「てわけなので、ペンギンくんとシャチくんについてきて欲しいんだけど、どうかな」
「おれ? いいよ! 外出たいところだった」
甲板の掃除をしていたシャチくんは、気のいい返事を寄越しつつ側にいたクルーくんにブラシを押し付けている。
「……船長からのご指名ってことはお目付役か」
その向こうで水をくんだバケツを甲板に置きつつ、やれやれと息を吐いたのがペンギンくん。
「日暮れまでに帰れって」
「リスト見せて」
「……多すぎる」
「わかる」
兎にも角にも急ぐしかないというのは満場一致の意見だった。捕虜であるおれを一人にするわけにもいかないので手分けもできない。他のクルーはといえばそれぞれに仕事があるらしく、これ以上買い出しに人員はさけそうになかった。
まずは軽い物。消耗品である医療器具から。いつかローくんを案内してあげられたらいいなと思っていた店にはアテがあるのでそこから向かった。
「注射針と試験管、えーっと……チューブ、はさみ……」
「いいよシャチくん、おれやる」
買い出しリストを差し出して、おれは店主と商談を始める。
「ここにあるの全部用意できそ?」
「そうだなあ……ああ、在庫切れの商品もない。しめて……これくらいだな」
手慣れた手つきで店主はそろばんを弾いた。おれはシャチくんとペンギンくんと顔を見合わせる。なかなかなお値段だったからだ。
「結構割高だね」
「これが最安値だなァ」
にまにまと店主はさも残念そうに意地の悪い笑みを浮かべるので、おれは腕を組んでひと呼吸置く。
「注射針と試験管を五十増やすよ。大荷物になりそうだから、デカめの台車に乗せてホテルまで運んでほしいんだよね。出来る?」
「構わねェよ。それなら、」
再びそろばんを弾こうとする店主の手に、おれは自分の手をやさしく重ねた。
「したら、ここの端数切ってもらえそ? 勿論お代はすぐ払う。お願い旦那さん、先生から貰った予算が厳しいの」
「そりゃ難しいね〜」
「やだな旦那さん、意地悪しないでほしいな。その島の注射針って、ほんとはこんなしないのおれ知ってるよ。コッチのコレもそろそろ新商品が出るから在庫抱えてたくないでしょ」
すると店主はどうしてそれを、と眉を顰めた。
「あは。足元みる相手はちゃーんと選んで。うちの病院、ここのメーカーさんとは仲良しなんだ。でも、あんまり色付けられると困っちゃうから相談しに行こっかな」
「ま、ままま待ってくれ」
「うんうん、待つよ。これだけデカいお買いものだし、おれたちいいお店で気持ちよく買いたいもん。そろばんの石、すこーし下ろしてくれるだけで嬉しくなっちゃうから、あとでこのお店よかったよって先生にもメーカーさんともお話通してあげる」
かもね、とニッコリ笑うと店主は意地の悪そうな顔からなんとも穏やかな笑顔になった。
「おれの負けだよ。こっから二割」
「四割」
「……三割」
「三割五分」
「…………持ってけドロボー! ホテルの名前と部屋番号教えなちくしょう!」
「あはは、だいすき」
声に出して笑いながら、自分の財布を取り出してきっちり数えて十五枚、店主へ手渡す。
「待ってな。すぐ釣りを」
「いいよ。三割五分は言い過ぎたし、荷台代で取っといて。おれたちがまた来たらよろしくね」
「……まいどあり!」
すると店主は従業員を集めて書き写した購入リストの商品を掻き集め、大きな荷台へとどんどん放り込みはじめた。
「じゃあよろしく!」
慌ただしい店内から抜け出せば、あとからシャチくんとペンギンくんが続いて出て来る。
「おまえすっごいなあ……!」
「船長なら脅して値切ってる」
「まじか。ふふ、商談は交渉。気持ちいいお取り引きは商売の基本だからね」
いやあ値切ったし荷台もゲットだねえと浮かれ調子に歩いていると、シャチくんがおれの肩に腕をまわしてきたのでなんだかくすぐったい。
「よくもまあ咄嗟に嘘がつけるもんだ」
「上手でしょ。でも、メーカーに知り合いがいるのは本当だし、新商品のはなしも本当だよ」
「マジか」
「お買い物は賢くやんないとね」
「おおー! すげー!」
シャチくんはノリがよくてご機嫌だったけど、ペンギンくんのほうは静かなままだった。すすす、と身を寄せて彼に話しかけてみる。
「出しゃばりすぎた?」
「いや」
「気に障ったならいつでも言ってね」
「……心配しすぎだ。お前のことは船長がちゃんと見てる。ニアのほうこそ、ソレが邪魔になったらちゃんと言ってくれ」
「なんだと!」
「はは、どうもね。でもおれはとっても楽しいからヘーキ」
「ニア〜!」
それから三人で食料品や日用品、本も何冊か買い込んで。重たい荷物を抱えながら、最終目的地であるおれの部屋へと向かった。
ホテルのエントランスを潜ると、フロントには大きな荷台が届けられていた。ホテルマンへ声を掛け、小一時間で引き取ることを告げる。おれたちは重たい荷物をその荷台へ詰め込んだ。
「おれ、これからちょっと荷造りなんだけど……ついてくるよねえ」
「そりゃな」
「言いつけだしな」
「しばらく帰ってなかったから、ろくにお構いもできないけど」
シャボンでつくられたエレベーターを使って最上階へ。
突き当たりの角部屋がおれのちいさなお城だった。ここにまた帰ってくることは恐らく無いだろうけど、感傷には浸っていられない。てきぱき荷造りしないとね。
あれから数日間連絡を取れていないドフィのことも気掛かりではあったものの、連絡するかしないかはローくんに決めてもらったほうがいいのかな。
おれはふたりを広いソファへ座らせて、キッチンからお茶を運ぶ。
「楽にしてて。服とか詰めてすぐ帰ろ」
「ゆっくりでいいぞ〜」
「ダメだよ。日暮れまでにって命令だから」
おおきなリュックサックを用意して、ウォークインクローゼットへ。お気に入りの洋服だけを詰めたらすぐに出る。どうせこの先増えてくだろうし、他にも必要なものが出来ればその都度買い足させてもらえばいいかなあ。
溜め込んであるお金と、使い慣れたナイフを数本掴んでそれぞれリュックの中へ。
「……これどうしよう」
「なにそれ」
「これは新聞の……、びっくりした」
「退屈なんだよ。なんか手伝う?」
後ろにいたのはシャチくんで、おれの手元を覗き込んでいた。
「いいって。あんま親しくしたらローくんに怒られるんじゃないの」
手に持っていた新聞の切り抜きを綴じてあるファイルを胸に抱え込む。
「別に仲良くすんなとは言われてねェもん。で、なにそれ?」
「ローくんに内緒にできる?」
「さー? キャプテンに隠し事はできない」
「……はは、知られて困ることじゃないよ。これはローくんの記事が載ってた新聞の切り抜き」
するとシャチくんを追いかけてきたのか、ペンギンくんも興味ありげに近づいてくる。ファイルを真ん中あたりから開いてみせると、ふたりはなんとも言いがたい顔をした。
「……これはまた」
「うわ、すっげー小さい記事もある」
「ストーカーか……?」
「不本意ながら、わりと否定できないなあ」
困ったように笑って、おれはそのファイルもリュックサックへと放り込む。
「どんだけ船長のこと好きなのよ」
「どんだけ……どんだけだろ。誰かと比べたことなかった」
「いや真面目か。そういう話じゃないだろ!」
ケタケタおかしそうに笑うシャチくんをよそに、ペンギンくんはなにか考え込んでいる風だった。だけどなんにも言われないうちはこちらも黙っておこう。
「でもまあ、他に持ってくものは無いかも」
「結構アッサリしてんな」
「あんまり物持たないからね」
「船長と一緒だな」
そう言ってシャチくんはペンギンくんに同意を求めるので、ややあってペンギンくんは「たしかに」と頷いた。
◆
リュックを背負ってフロントへ降りた頃にはもう陽は落ちかかっていた。おれは手早く部屋の引き払い手続きを済ませ、家具や残ったものは全て処分してもらうように頼むと、対応してくれた馴染みのホテルマンはすこし不思議な表情をしていた。
そうだよなあ。ひと部屋買い取ったと言ったって、掃除や洗濯はお願いしてたしルームサービスにもしこたま世話になった。お客が離れて惜しいんだろう。
軽く挨拶をしてから荷台を3人で引きつつ、おれたちはホテルを後にした。
ここを出て行くだなんてなかなか実感が持てないものだ。
「さっきのフロントのやつさ、仲良かったの?」
「え? ううん。いってきまーすとただいまーって言うくらいだよ」
「へえ。そりゃさびしかろうなあ」
「さびしい? ないない」
「ええー? ずっと住んでたヤツが居なくなるのはさびしいもんだろ。なあ、ペンギン」
「ああ、そうかもな」
「そういうもん?」
よくわかんないなあ。
そんな風に間延びした声でお喋りを続けながら、船の停泊地へと戻ってゆく。
「なあなあ、ニアと居たときの船長ってどんなだったんだ」
「……おれも興味あるな」
「おれらが会った頃といまの船長、そんなたいして変わんないからさ」
道すがら、そんな話題がぽんと出てきた。
聞かれるだろうなとは思っていたけれど、どんなと問われれば返答に迷う。
「どんな……どんなだったかな。勉強熱心で、がんばりやさん……とか」
「へええ……」
「半年くらいしか一緒に居られなかったけど、素直じゃないのは変わらないかも。そっちはどうなの。ローくんと会ったのはいつ?」
問い返せば、シャチくんはいちにいさん、と指を折って数え始めたけど途中でペンギンくんに止められてしまっていた。
「なんだよ、このくらいイイだろ」
「いや、シャチくん。ペンギンくんが正しいよ」
船長の、更に言えばローくんの過去を話すだなんて褒められたものじゃないだろう。
「ごめんね。ちょっと浮かれてたや」
「違うんだ、ニア」
「どうすんだよペンギン。ニア落ち込んじゃうだろ」
「ううん、線引きはちゃんとしないとね。おれたちお友達じゃ居られないから」
左胸の奥のあたりが、きゅっと傷んだ気がした。
「……ペンギン」
「おれらが決めることじゃない」
「わかったよ。わかったけど、ニア」
「んー?」
「船長と、ちゃんと話をしたほうがいい……っていうか、してやってくんねェかな」
そう言ったシャチくんは、さっきよりも元気がなさそうに見える。
「うん?」
「頼むよ」
「ローくんがいいよって言ってくれたらね」
シャチくんとペンギンくんは続けてなにか言いたそうにしていたけど、おれは気がつかないふりをした。まっ黄色のポーラータングが見えてきたからだ。
日暮れまでに戻れ、という条件つきの結構ギリギリな買い出しはなんとかこなす事ができて一安心。先に船へ乗り込んだふたりが「ただいまー」と言っているのを聞きながら、おれは黙ってあとを追いかけた。
荷台に詰め込んだお使いの品々を選り分けて片付けるのは二人に任せた。おれは多分部屋に戻らなくちゃならないだろうから、鍵番であるローくんかベポくんをキョロキョロ探す。
「あ! 帰ってきた! おかえりニア」
「ベポくん。リストのは全部買えたよ」
「買えたの? キャプテンがお財布渡し忘れたって言ってたから心配したんだよ。持っていけなくってごめんね」
「うん? いいよ。問題なかった」
「え! ニア! 使ってた財布お前のだったのかよ!」
「そりゃまあ、そうでしょ」
シャチくんやベポくんとそんなやり取りをしていれば、奥の扉からローくんがやってきた。
「ローくん。お使いバッチリだよ」
「……ああ」
「船長、お代全部ニアが」
「知ってる」
するとローくんはおれに向かって結構な厚みのある札束を突き出してきた。
「要らないよ」
「ああ?」
「え? おれ、てっきり財布としてお使い任されたのかと思ってた」
「なワケあるか。どうした、受け取れ」
「それに、こんなに使ってない」
手のひらを見せて「要らないです」のポーズをしていれば、荷物の整理を放り出したシャチくんはおれとローくんの間へと割り込んでくる。
「船長、すごかったんですよ! ニアの値切り術!」
「あは、褒めすぎだから。……ローくん、ほんとうに要らない。気になるなら家賃と食費代だと思ってよ。海賊団ってお金かかるでしょ」
全然平気、と笑ってみせればローくんは機嫌の悪そうにおれを睨んだ。
「捕虜の世話になれってのか」
「おれから奪ったってことにすれば。リュックのなかにまだあるからそれも持ってっていいし」
重たいリュックを背負い直すと、ローくんはおれの腕を引っ掴む。そのままおれをずるずる引き摺って部屋の外へ出ようとしていた。
「ニア!」
「なあにシャチくん」
「さっき言ったこと!」
「だからローくんがいいって言ったら、んん、ローくん痛い。ちゃんと歩くし逃げないよ」
「黙ってついてこい」
ぐいっと力任せに引っ張られておれたちは部屋の外へ。廊下を渡って、おれに割り当ててもらった小部屋へと押し込まれる。ローくんは壁に背を預けて溜息を吐いた。
「……怒ってる」
「ああ」
「どうして? 勝手にお金払ったから……? ごめんね、この船のルールちゃんと聞いてから」
「ちがう」
そうしてローくんはまたおれの胸ぐらを乱暴に掴む。すぐ手が出るのは直したほうがいいと思うなあ……とは言わないでおこう。これ以上怒らせたくない。
「財布として外へ出したんじゃない」
「あ、ああ、そうだったんだ。ごめん」
「……チッ」
なんだか決まりの悪そうに舌打ちをすると、もう一度おれの目をじっと睨んでからローくんは腕を下ろした。
「随分仲良くなったみたいだな」
「ううん、全然」
「じゃあさっきシャチが言ってたのは」
「ローくんとちゃんと話せって言われただけだよ。なに話せばいいか分からないんだけど、ローくんからは何かある?」
おれは荷物を詰めてきたリュックをベッドの上へ下ろしながらローくんへ尋ねる。
「……余計なマネを」
「余計なんだ。いや、いいんだよ。ローくんが許してくれたらねって言ってあるから」
「おまえはどうしてそんなに……」
ローくんは言葉に迷ってるみたいだ。それがなんだか不思議で、おれは黙って首をひねる。
「おれは」
「うん」
そのとき、着信を知らせる電伝虫の音がプルプルと鳴り始める。リュックの中からだった。
「……参ったな、ドフィからだ。出てもいい?」
「…………」
「こないだローくんと会った日から連絡してないんだよ。電伝虫は家に置いてたからさ」
ローくんはしばし間を取ったあと、無言であごをしゃくる。どうやら取れ、と言っているらしかった。おれは急いでリュックの中から電伝虫を取り出すと受話器を持つ。
「はい、ニアだよ」
『ニア……随分焦らすじゃねェか』
「ちょっと海軍とルーキーがぐちゃぐちゃしててね。やっといま落ち着いたとこ」
そのままリュックの中を探って、紙と鉛筆を取り出す。床で「ローくんの船に潜入したって言っていい?」と書きつけて、ローくんに見せた。
「ひと通りルーキーくんたち見てみたけど、やっぱりローくんがいちばんカッコよかったよ」
『妬けるじゃねェか』
「はは、思ってないくせに」
チラっとローくんを見上げて目配せをしてみる。するとメモを読み取ったローくんはややあってから浅く頷いた。
「なんとかローくんの船に乗れたよ。おれのことまだ疑ってるみたいだけど」
『そりゃお手柄だな。どんな手使ったんだ』
「ドフィのところから逃げてきたって。もう帰りたくないから乗せてって言ったの」
『……嘘でもおまえの口から聞きたくなかった』
「おれだって言いたくなかったよ」
口から滑り落ちるのは本音と嘘がまざった言葉たちだったが、ドフィはすこしも気になっていないようだ。
「しばらく潜入してみる。連絡は小まめに出来ないかも。電伝虫も没取だろうから」
『寂しいこと言うじゃねェか。辛くなったらさっさと戻れよ』
「……おれにはおれのお仕事があるでしょう。ドフィはあんまり心配しないで。ローくん、おれにとっても優しいよ」
そう言ってから再度ローくんの顔色を伺ってみせると、なんとも言えない複雑な顔をしている。気持ちはわからんでもない。
「好きにさせてくれてありがとうね、ドフィ」
『フッフッフ……構わねェさ。せいぜい殺されねェように遊んでやれ』
「うん。またこっそり連絡する」
『ああ。愛してるぜ、ニア』
「…………ドフィ、」
おれもだよ。
そう返そうとしたとき、ローくんは開いたままの扉を何度か軽くノックした。切れ、という合図のようだ。
「ごめん誰か来ちゃった。またね」
早口でそれだけ伝え、通信を切る。
「…………随分ご執心だな」
「んえ? ドフィ? どうだろ。お前のことは逃がさねェぞって言ってるみたいだったけど」
おれは電伝虫をローくんに向かって差し出す。
「あげる」
「…………得策だな」
「荷物のチェックする? その方がおれも気が楽」
「ああ」
「小型の電伝虫も持ってないし、服ばっかりだけど」
壁から背中を離してローくんはベッドのそばまでやってきた。その顔はさっきよりもご機嫌斜めのようで、なんだか居心地が悪い。
「……してやるよ」
「なにを?」
「つまらねェ話だ」
ボヤくように呟いたローくんは、ベッドの上へと腰を下ろした。