バイトマスターHIRANO 番外
01「平野に甘えて欲しい」
事の始まりは審神者と親交を深めるために行われた酒の宴だった。
深夜に差し掛かり広間で飲み食いする刀剣の数が減ってもなお会話に花を咲かせ夜更しをしていた太刀一期一振が言い出した言葉だ。
短刀の中ではレア度が高く厚藤四郎と比べても出にくいらしい平野藤四郎は、前任がいくら鍛刀しても出ず、新しい主が鍛刀してようやくこの本丸へ迎えることができた。
だが、この本丸の刀剣は前任審神者が忘れられず新しい主を反発してしまい平野は一人で戦場へ行くはめになったのだ。
幸いにも鶴丸などといった、かつて様々な人の手を渡ってきたが故に新しい主ができても反発せずにいた者がいたためにずっと孤独ではなかった。
刀剣の仕事はたくさんある。出陣し敵を狩るだけでなく、自らを守る刀装作りや戦況報告をするための書類仕事の手伝いだけでなく、日課任務や本丸運営などがある。
審神者と鶴丸と平野だけでなんとかやってはいたものの、結果一人で遠征出陣書類整理なんかをこなしていた平野は、誰かを頼る甘えるといった行為をしなくなったのではないか、と。
「じゃあ、酒でも飲ませてみたらどうだ?」
そう返答したのが鶴丸だ。
唯一主の仕事を手伝い平野とともにいた時間が長い刀剣だからなのか、よく二人一緒に見かけることが多い。一期から見て悔しいことに仲が良く、話だけを聞くに誰もいないときに甘えてきたことがあったというが、信じられない。
そうか、酒ならば判断が鈍ることもあり本音を相まみえることもあるだろうと一期は実行に移してみた。
短刀のような子供に、と思うかもしれないが彼らは長い年月を生きた付喪神。酒は飲めるしどちらかというと好きだろうと思ったのだが……。
「結果? いえ、逆に酔い潰されてしまいました。弟達と飲んでみたのですが特に平野と五虎退は想像以上に酒が強く、気がついたら布団の中でした。彼らは……ザルかワクなのでしょうな」
「お酒、ですか? はいっ美味しかったです! 意外でしたか? あの……謙信公の影響だと思います、多分。前の主は酒豪でしたから……。前田もたくさん飲んでました! ……変わったこと……えっと……特には、無かったです。すみません。顔色も、ずっと変わってなかったです」
02「珍しいな、平野が横になって昼寝してるなんて」
あと一刻もすれば昼飯の時間だなと思った午前の出来事。
縁側で横になって昼寝をしている平野を見かけた。いつもは昼寝なんかしないし、あったとしても横には決してならないのだ。
審神者の近侍として多くの仕事を任され疲れているのだろう。いつもならイタズラでもして驚かせようとするのだが、今回はそっとしておくことにした。
昼食は皆バラバラで食べることになっている。内番や近侍の仕事もあるために各々で食べることが多い。今日は非番なために広間で昼食をとり、午後をどう過ごすかと考えて意味もなく本丸を歩いていた時のこと。また平野が作ったオムライスが食べたいな、今度見かけたら言ってみるか。
「お、長谷部じゃないか」
「平野を見かけなかったか?」
「平野?」
「ああ。自室や台所を探してみたのだが姿はなかったんでな」
そういえば主の役に立ちたいと言い、平野に仕事を教わっていたな。平野も丁寧にぱそこんとやらの使い方や書類整理のコツなんかを教えていた気がする。
平野から指南書を借りる予定だったが、とんと見かけないらしい。
「今日は非番だから、さっき……」
さっき、広間で見かけなかったのか? と言いかけて思い出した。
平野は今日非番だ。非番の奴はだいたい広間で食べるし平野もそうだ。でも、今日は平野はいなかった。
俺が最後に見かけたのは、縁側で横になっていた姿。滅多に見せない昼寝姿だ。
……まさか。
未だに横になっている平野を見て、思わず嫌な汗が流れた。
苦しそうに顔を歪め、うずくまっていた。熱でも出ているのか顔も赤い。
「ひ、ひらの……」
03「平野が倒れた!!」
午後の出来事。
やけに周りがうるさいなあと思ったら鶴丸殿に抱き抱えられてました。なぜだ。
どうしてこうなったんだろうとか考えようとしたけど頭がズキズキしてだるい。ああ、長谷部殿に仕事についてまとめた指南書みたいなのを渡そうと縁側歩いてて、めまいがして、倒れちゃったんだっけ。
すまんね長谷部さん、倒れたときに縁側の下に落としたかもしれんです……え? いいから寝てろって? はいはい。
ああ主そんなに慌てないで。そんなに酷くな……はい、うん、倒れるくらい酷いってのは認めるから落ち着いて。鶴丸殿も落ち着いてよ。
こんのすけが言うには、疲れにより霊力を安定させることができなくなり体調を崩す。まあ簡単に言ってしまえば疲れて免疫力が低下して風邪をひいたんですよ。私。
ちゃんと刀剣の疲労具合を確認し、適度に休ませることができれば体調を崩すなんてことはないが、刀剣によって個体差もあるが疲労に気づかない、隠すのが上手い刀剣もあり気づいたら倒れているなんてこともある。ってさ。
はあなるほど。頭が痛いのは二日酔いのせいだと思ってましたよ。前世では頭痛程度じゃあ仕事に支障出ないし、非番だからゆっくりしてれば大丈夫と思ってたんだけどね。
あと、接客のバイトで疲れを見せるわけにはいかなかったから、必死に隠してた癖が出てたなこれ。
おかげさまで薬研に体調に変化があったらすぐに言えと言われたけどしこたま酒飲ませたの貴方でしょうが。酔っ払って俺の酒が飲めないのかと下戸な光秀に絡む信長のようだったといえばなんとも言えない顔してました。謀反されたのはそれが原因じゃあないのかってくらい飲まされたし。
私がバイト仲間との付き合いで飲み慣れていたし、限度がわかっていたから良かったものを。ああ、夜のバイトでも客にすごい飲まされてたなあ。
でもあんなに飲んでも平気って流石神様スペック。すごいや。
燭台切殿からおかゆをもらって食べて、鶴丸殿に布団へ押し込まれて。暇をしていたときに何人かお見舞いに来てくれたりしました。
まず最初に来てくれたのは秋田と乱。
三時のおやつにと果物ゼリーとリンゴを持ってきてくれました。ウサギリンゴ上手ね。
二人は私が暇をしないようにと気遣ってか、よくお話してくれました。
一昨日お酒の席で、まだ起きている兄含めた刀剣たちが何を話しているのか気になって夜更かししていたのだそうだ。おやおやわるいこですねぇ。
最初はどんな武将が強かったかなんて話していたけど、中盤になると私がどうやったら甘えてくれるだろうと愚痴というか相談のようなものをしていたそうだ。前世の記憶もあるせいか、誰かに甘えるとか小っ恥ずかしい。しょうがない、演技でもいいから今度甘えてみるかな。
機会があれば甘えてみます、と返すとニヤニヤした乱の表情。え、何。
……うん、うん。夜更かし組のお話の後半ではすごいぶっちゃけトークをしたそうだ。
未だに前田と平野を見分けられない石切丸殿。
今でも本丸の地理を覚えられず迷子になる三日月殿を探すのが正直辛い獅子王殿。
気がついたら目である人を追っていると言われ「違う」と言いつつも赤面する和泉守殿。眼帯つけたら政宗公に似てると言われつけられたがなぜか笑われた大倶利伽羅殿。
「できることなら激しく抱かれたい」と言ったが誰にと問うとはぐらかす鶴丸殿。
察してしまい池に投げ込んでしまった一兄。
池の鯉がかわいそうだと説教して、お開きにした燭台切殿。
この様子だと乱はわかっているらしい。秋田はずっとこの調子で教えてくれないんですとか言ってるけど知らないほうが良いんじゃあないかな。うん。
……あれ、これ勘違いとかしてないか乱。一兄と鶴丸殿は想い合う仲じゃあないぞ少なくとも一兄は戦国武将のなかでもすごい女好きだった豊臣秀吉の刀だったからノーマルだぞ。いやまてそう考えると一兄女好きなのか……? もうこの会話はやめようか。ね。
その次に来てくれたのが鶴丸殿でした。
夕食の前頃だったかな。丁度夢を見ていて、それが嫌な夢だったんですよ。
父親を蹂躙する夢だった。どうして、どうしてと泣きながら組み敷いて殴り続ける夢。
今はもう失われてしまった、傍にいれただけで満ち足りていた頃の夢だ。
見舞いにと訪れた鶴丸殿に揺すり起こされて、目が覚めた。ぼうっとする頭で妙にツンデレな鶴丸殿の話を聞き流し、彼に聞こえないように悪態をついて、泣いた。未だに前世のことが割り切れない。未練がましい自分に畜生、と口汚く罵って。
どうしたんだ、怖い夢でも見たのか。
ぎこちないが優しく頭を撫でてくれた彼に、甘えた。やり方は、これで良いのだろうか。
「おなかすいたなぁ」
04「どうして、お前ばかり目で追ってしまうんだろうな」
短刀が平野に見舞いに行っているのを見て、つい部屋の前に来てしまった。だが、来てしまってから安静にさせるべきかと思い直し、引き返すか、と思っていたら平野の部屋から声が聞こえた。
誰か部屋に来ていたのかと思考を巡らせたがこの離れには今俺と平野しかいないはずだ。離れに住んでいる審神者だって、政府本部へ出かけ平野のために薬をもらいに行ったばかり。
「平野……? どうした」
返事がない。だが、声は今でもとぎれとぎれに聞こえている。入るぞと声をかけ入室すれば思った通り、平野はうなされていた。
……と、さん?
布団をちぎれそうなほど握り締めているのが痛ましくて、見ていられずに揺すり起こした。目が覚めた平野は涙が溢れそうになっていて、どうしてか胸が苦しくなった。
寝ぼけているからか、つたない口調で「つるまるどの」なんて呼ばれて、可愛いなんて思ってしまった。
見た目は幼く愛らしい姿をしており真面目で器用な性格をしているが、時に荒々しい性格を表し戦場で血に濡れ戦う様はまさに猛者のそれで、漢らしいとも思った。光忠なんかは平野のことをカッコ可愛いと言っていたが俺もそう思う。平野は、格好良くて可愛い。
なんとなく恥ずかしくて、そんな自分を隠すために思ってもいないことを喋っていたら、平野がボロボロ泣き出した。
ぼうっとしてたから聞いてなかったんじゃなかったのかと思っていたが夢見が悪かったらしい。どうすれば良いんだ、確か一期一振はこんなとき弟の頭を撫でていたっけなと思い出して、そっと撫でてみたら、布団からにじり出て膝に頭を乗せてきた。
落ち着いてきた頃には、俺を見上げて、「おなかすいたなぁ」って呟いて。
05 翌朝
目が覚めたとき、汗で髪が張り付いている感触が不快で、おもわず顔をしかめた。
ああ、嫌な夢を見ちまった。
朝6:00
朝早くから近侍の仕事をする平野を見て、今朝の夢を思い出した。
夢だと理解しつつも、冷や汗が出てしまう。
朝6:00
平野に心配された。顔が真っ青だったと。
夢は口に出せば現実にはならない、と平野が教えてくれたので、夢の内容を喋ってみた。
……ああ。今でも鮮明に覚えているさ。
自分じゃあない、自分の姿をした何かに、全てを奪われる夢を見たんだ。
ん、ああ、今思えば鍛刀されたか他の本丸の刀剣だったかもしれんな。
で。その俺の姿をした何かに、俺の全てを奪われた夢だったんだ。
主の隣で仕事をしていて、
大倶利伽羅にちょっかいをかけていて、
燭台切に料理を教えてもらっていて、
今剣と蹴鞠をしていて、
三日月と茶飲んで、
平野を抱き上げていて、
こっちを見て嘲笑うんだ。お前の居場所はもう無いんだって。
起きたら朝で、汗でびっしょりだった。
聞いてくれてありがとう。気が楽になった
……平野? どうした?
昼1:00
夢の話をしてから、平野の様子がおかしい。
仕事をしている間は何もなかったそうだが、それが終わってからは、今にも泣き出しそうな表情をしていたのが印象深い。何か、あったのだろうか。
午前で近侍は交代のはずだ。探してみよう。
昼2:00
どこにもいない。
庭で粟田口と鬼事をしているわけでも、台所で何か作っているようでもない。
主や一期に行方を聞いても、知らない、と。
どこに行ったんだろうか。
昼3:00
八つ時の菓子は、平野が好きなチョコレートだったのに現れなかった。
どこだろう。
昼3:30
見つけた。寂れた屋敷神の祀る祠の前にいた。
ん?
誰かと会話しているのか?
昼3:40
すぐに気づかれてしまった。ただの独り言だと平野は言うが、そういうことにしておこう。
明らかに何者かに話しかける言動も赤い目も、俺は知らない。
平野はここにいた理由を話してくれた。
俺が見た夢に思う所があったらしく、静かなこの祠で考え事をしていたそうだ。
もしもの話。自分が気づかないうちに他人に成り代わっていて、その他人の全てを奪うことになっていたらと思って、怖くなってしまったんだそうだ。
泣かないでくれ、俺が泣かせてしまっているようで胸が苦しい。
ああ、そうだ。江雪や山伏が言っていたな。仏教の教えでは、魂のあるものは全て輪廻転生しているんだそうだ。そうだとしたらそれは成り代わっているのではなく転生しているんだと考えられるんじゃあないのか?
他人のものを奪っているんではなく、最初から自分だったんだ。そういったことを平野に語っていれば納得してくれたらしく、落ち着いてくれた。
江雪達のほうが詳しいだろうが、こんな説明で理解してくれて良かった。
本丸へ帰るために立ち上がったとき、平野が無言で両手を伸ばしてきた。
これは……抱き上げてくれ、ということなのか?
初めて甘えられてしまい、二つ返事で引き受けた。
いつもは嫌がるのに。
夕方4:00
いつのまにか眠ってしまったらしい。
……本当に、愛おしい。
06「平野の驚く顔が見たいな」
今日の近侍である鶴丸さんが、畑当番をしている平野くんを見て呟いた一言。
女の勘かは知らないけどなんだか面白そうなことが起こりそうだったので、二人の観察日記を書いてみることにしてみた。
x月x日
鶴丸さんが落とし穴を掘っているのを発見。場所は平野くんがよく通る道だったと思う。しかも平野くんは長期遠征で本丸にいない。
さすがに危ないから止めようと思ったけど、落下しても大丈夫なように、底に藁(馬の餌)を敷いていたから…まあ、いいかな。私は知らない。
結果
平野くんは何事もなく迂回して無視していた。土は周りと同化していて、ずっと見ていた私でさえわからなくなったくらい完璧な落とし穴だったのに、どうしてわかったんだろう。
ちなみに、その落とし穴は掘った場所を忘れてしまった鶴丸さんが落ちました。平野くんがシャベル片手に戻ってきて、鶴丸さんを助けることなくシャベルだけ渡して離れに行きました。ちなみに平野くんはずっと無言。シュールすぎて笑った。
x月x日
縁側でお団子を食べていた平野くんの後ろからそっと近づき、「わっ」って声をあげていた。平野くんは一瞬ビクってしてたけど、振り返らなかった。
どうしてかなって思ってたら、室内から出てきて「わっ」って、驚きかえされてた。驚かしたのは平野くんで、ずっと平野くんだと思ってたのはカツラをかぶった前田くんだった。
……そういえば、カツラを被って石切丸さんをおちょくってたなぁ。
x月x日
近侍の秋田くんから、鶴丸さんが勝手に平野くんの部屋に入ってくのを見たらしい。またイタズラだろうって放置しておいた。
結果
平野くんに許可をもらって仕事道具をとりにきた一期さんが、平野くんの部屋に入って行ったけど……般若の表情で、鶴丸さんと一緒に出てきて追いかけてた。今説教されてる。
何があったんだろうと思って、秋田くんと一緒に平野くんの部屋を見てみたらアダルトグッズがあった。アホか。
秋田くんが、昔と比べて随分精巧にできてますねって言ってたけど、うん、短刀だもんね。
寝所に置かれたことがあるから、そういった知識は多いよね。
……昔のってどういうのがあるんだろう。
x月x日
いたずらのお返しとして、鶴丸さんのおやつのみかんにだけ顔が書いてあった。
(´・ω・`)な顔かいていて、これじゃ食べられないってしょんもりしてた。
まさに(´・ω・`)の表情。
x月x日
大人の玩具事件を秋田くんから聞いて、平野くんが大反撃した。
鶴丸さんの部屋にある物全部を逆さまに配置したのだ。机、硯、掛け軸、壺、箪笥だけでなく、よく見れば襖やその中にある布団に桐箱までも。後で聞いた話だけど、箪笥の中身までもが逆さまになっていたそうだ。
確かこの日は近侍で、空いた時間は加州くんに近侍の仕事を教えていたんだけど、いつのまにこんなことやったんだろう。
あと、三日月さんや小狐丸さん意外で「あなや」って言ったの初めて聞いて、改めて鶴丸さんは平安の刀なんだなって思いました。
x月x日
鶴丸さんが、平野くんのアーモンドチョコの中身を全部どんぐりに替えてた。
結果
「チョコ持ってるんです、良ければ食べませんか」ってどんぐりを鶴丸さんに押し付けてた。
楽しみにしていたチョコを全部鶴丸さんに食べられておこだったようだ。三日くらい無視されて涙目な鶴丸さんにグラっときたけど、それ以上に「私のチョコ……」って涙目で落ち込んでた平野くんが可愛くて、思わず、買ってあげました。紗々。
キラキラした目ですっごいはしゃぐ平野くんが……。もう死んでも良い。萌えで殺す気かこの短刀。
x月x日
なんだか面白そうなことしてるね。
昨日、鶴さんの部屋から悲鳴が聞こえたから何かと思ったら、布団の枕元に写し絵があったそうだよ
↑人の観察日記を勝手に見ないで下さいと言いたいが、それ気になる。是非詳しく。
夜に寝ようとして、部屋に入ったら既に布団が敷かれていたから「いつ敷いたんだっけ?」って疑問に思いつつも近づいたら枕の部分に写真(こういうんだっけ?)それが置かれていて、知らない誰かが自分の布団で寝ていると思ってびっくりして、思わず悲鳴をあげたそうだよ。
今度その写真もってくるね。
↑あるんですかwwww
x月x日
燭台切さんが持ってきた写真を見て腹筋が崩壊して、まともに仕事ができなかった。
なんでこの写真なの? 織田信長の肖像画なんてどこから持ってきたの。仕掛けたの平野くんってマジ?
x月x日
書類仕事がたまってきて、夜に平野くんの部屋にお邪魔したら、布団の枕部分に顔の描いた風船があって悲鳴あげるところだった。これ絶対鶴丸さんがやったでしょ。
風船にやたら古い少女漫画風な顔が描いてあったけど、鶴丸さん絵上手い。やたら上手い。
結果
隣の部屋から観察させてもらったけど、声をあげたりした様子はない。
次の日の朝、平野くんの部屋に行ったら、風船の顔に落書きされて放置してた。
……額に「おにく」ってあって、五分くらいお腹抱えてたけど、このネタわかってたのかな。不思議だ。
x月x日
燭台切さんも悪ノリして、イタズラし始めた。普段格好良くて可愛い平野くんが驚く姿を見たいって言い出して、鶴丸さんと協力しだした。
どんな行動するのかと思ったら、近侍がよく使うパソコンのキーを剥がしてランダムに配置してた。無駄な気がする。
結果
平野くんは気にした様子もなく、仕事をこなしてた。
普段から仕事してる姿を見ている私だからわかるけど、平野くんブラインドタッチ(タッチタイプ?)してるからあんまり意味ないんだよなぁ。
ただ、過去の戦績を見に来た長谷部がすごい困惑してて、怒ってた。
x月x日
燭台切さんが台所でうずくまっていたから、どうしたのって駆け寄ったら笑いを堪えてた。
なんと、冷蔵庫に入っていた卵全部に顔が描いてあった。しかもゴ○ゴ。
私も笑ったけど、燭台切さんはツボに入ったのか笑ったときにどこかぶつけたのか、軽傷になっていた。
結果
あれから五日くらいは卵を見るだけで笑いがこみ上げる燭台切さん。それを見て怪訝な顔をする歌仙さんを見てしまった。
x月x日
鶴丸さんがついに他の人たちを巻き込んでドッキリ企画をし始めた。
時止め企画である。あたかも時間が止まったかのように皆が動きを止めて驚かすというものである。
面白そうなので私も参加。場所は道場である。
結果
驚くこともなく真っ先私の所に来て、書類を置いていき、道場を出る前に
「そして時は動き出す」
と呟き、思わず笑ってしまった。なんでそのネタ知ってんの。
↑あれって元ネタ何だったの? ´・ω・`
↑漫画に出てくる登場人物のセリフですよ。すごい色男です(顔文字どこで覚えてきたんですか)
↑漫画? なんだろう気になる(鶴丸さんのみかんに描いてあったけど、これ顔文字っていうんだね)
↑題名はジョジョの奇妙な冒険 今度本貸しますね
x月x日
いきなり倒れて風邪をひく事件が起きて以来できた短刀のお昼寝時間。今日は自室で寝ている平野くんを腕枕して眠ることにしたそうだ。起きたら隣に人がいるって驚くよね。
結果
腕痺れてた。
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