「ねぇ、シズちゃん。何で俺の行くとこ居るとこ出てくるの?」
「あぁ?! お前が池袋に来るからだろぉがよぉ!!」
俺は今、池袋に来ている。
暇すぎて死にそうだったから池袋に来てみたけど、暇なのには変わりない。
死にそうってのは言い過ぎかな?
まぁ、兎に角。
つまらないから紀田君辺りをからかおうと思ってたんだけど……。
何故か、シズちゃんに出くわした。
「シズちゃんてさぁ、俺の事好きなの?」
「はぁ!? 何言ってんだお前。誰がお前なんかを好きなるかよ!!」
「だってさ、俺が行くとこ何処にでも現れるじゃない」
「お前が俺の行くとこに出てくるんじゃねぇか! この、ノミ蟲が!!」
「酷いなぁ、俺は好きだよ。シズちゃんの事」
「な!?」
こんなの、嘘に決まってるのに。
それでも、シズちゃんは驚き、赤面する。
馬鹿だよね。
仕方ない、今日はシズちゃんでもからかうか……。
「何時も何時も、会えば殺りあってばっかで話なんてろくにしないけど、俺はシズちゃん好きだよ? loveの方で」
「……」
あれ? 反応薄いな?
此処は、怒り狂ったようになって、自動販売機とかでも投げてくると思ったのに……。「…お……おれ…」
「ん、何? シズちゃん」
何だ、これ。
何だか気味が悪いなぁ。
反撃してこないなんて……。
「…俺も……」
「は?」
「だから! 俺もだって、言ってんだろぉがぁ!!」
「!!!?」
予想が外れたあげく、告白された……?
告白? 誰に?
え? シズちゃんが俺を??
「えぇ!?」
理解するのに5分もかかった。
コレは何か裏が……?
いや、シズちゃんは馬鹿だからそんな事考えてないだろうし……。
「俺も、好きだ!」
「!??」
再確認させられたって、俺の状況は悪くなる一方だ。
「まっ、まさかシズちゃんも俺と同じ気持ちだったなんてね……」
「あぁ、驚いた。すっげぇ、嫌われてると思ってた」
「そ、そうなんだ……」
何だ、この展開は。
どこぞの少女漫画みたいな展開は!
「なぁ、臨也……」
「何? シズちゃん?」
「キ、キスさせろ……」
「へ?」
「だからよぉ、本当に好きならキス位出来るだろうが!!」
真っ赤になりながら何言ってんだ、シズちゃんの頭は空っぽなのか?
おかしい! おかしすぎる!!
「なぁ…臨也……」
「…シ、シズちゃ………」
「って言う、夢を見たんだよー!」
「死ねぇ! ノミ蟲野郎がぁぁあ!!!」
「やっだねーだっ!」
「まちやがれ! このっ」
今日も、池袋は平和だ。
夢か現実か あぁ やっぱり夢か
(夢は、強ち間違いでもない……)