『にやんこかぁいいよぅ』

「そんなに猫が好きか?」

『好き、大好き! こんなかぁいい生き物は他にいないですよ!!』

「……」

猫を抱えながら目をコレでもかっ! ってくらいに輝かせている夢子。

俺達は今、サンシャインの近くにあるネコカフェに来ている。
夢子曰わく、今日は猫の日らしく、「今日はにゃんことにゃんにゃんしなきゃいけない日なんです!!」だそうだ。

たまたま休みだった俺は無理矢理連れてこられた。

カフェに入ってから夢子は猫とばかり遊んでる。

『静雄さんは猫、嫌いですか?』

猫を抱え上げ俺に向けてくる。

「別に嫌いじゃねぇ、けど……」

『けど……?』

「けど…なんか、ムカつく」

『?』

「っ……だから、夢子が猫にばっか構うからムカつくってんだよ!」

『うわっ!』

俺は夢子が抱え上げている猫を奪い取り、キスをした。
猫でちょうど隠れたらしく、周りの人は二人の行為に気付かなかったが、夢子は顔を赤くさせびっくりしている。

「少しは俺にも構えっ」

顔を真っ赤にしながら静雄は言った。

『静雄さん可愛い』

「なっ!?」

さっきまで顔を赤くしていた癖に、余裕の顔をして可愛いなんて夢子が発したせいで更に顔を赤くした静雄は、会計を済ましてそそくさとネコカフェを後にした。

『ちょっ! 静雄さん! どうしたんですか!?』

「さっきまでお前に付き合ってたんだ、次は俺に付き合え」

『? 何処か行きたいところがあるんですか?』

夢子がそう聞くと、静雄は新しい玩具を買ってもらった子供みたいに笑い、楽しそうに言う。

「今日はにゃんにゃんしなきゃいけねぇんだろ? だったら日にちが替わるまでしてやろうじゃねぇか!」

『えっ!?』

夢子が静雄が言った意味を理解するまで、そう時間は掛からなかった。

だが、理解するより先に静雄の行動の方が一足早く、夢子は静雄に美味しく頂かれました!

めでたし、めでたし?


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