第四次忍界大戦の首謀者
木ノ葉病院を出ると、午後の光が里を照らしていた。
久しぶりに見る平和な景色だった。
子供たちが走り回り、商人が声を上げ、忍たちが行き交う。
――戦争が終わった里。
その中を
うちはオビト は静かに歩いていた。
隣には
はたけカカシ。
その少し前を
うずまきナルト と
春野サクラ が歩いている。
「なぁカカシ先生」
ナルトが振り返る。
「腹減ったってばよ」
カカシはため息をついた。
「さっきまで病院だったのに元気だね」
ナルトは笑う。
「戦争終わったんだしさ!」
そして指をさした。
「行こうぜ!」
そこにあった看板。
――一楽。
一楽ラーメン。
⸻
店の暖簾をくぐる。
「いらっしゃい!」
カウンターの向こうから声が飛ぶ。
テウチ が顔を上げた。
「おっ、ナルトじゃないか!」
「今日は大人数だな」
ナルトが笑う。
「ラーメン四つ!」
「あと替え玉!」
カカシが言う。
「まだ頼んでないよ」
その時だった。
テウチの視線がオビトに止まる。
「……?」
少し首をかしげる。
そして聞いた。
「初めて見る顔だな」
ナルトが得意げに言う。
「紹介するってばよ!」
そして親指を立てた。
「こいつ――」
一瞬ためてから言う。
「第四次忍界大戦の首謀者!」
店内が静まった。
サクラが慌てる。
「ナルト!!」
オビトは頭を掻いた。
「おい」
「その紹介やめろ」
ナルトは笑う。
「だって事実だろ?」
オビトは肩をすくめた。
「俺だけど」
「俺じゃねぇよ」
カカシが横でくすっと笑う。
「前世の話、だよね」
オビトは小さく頷いた。
「今の俺はただの――」
言いかけて、止まる。
ナルトが身を乗り出す。
「ただの?」
オビトはラーメンを受け取りながら言った。
「……呪霊祓いだ」
ナルトとサクラは同時に首を傾げた。
「?」
意味は分からない。
だがオビトは気にせず箸を割る。
湯気が立ち上る。
麺を一口すすった。
そしてぽつりと言った。
「……うまいな」
ナルトが笑った。
「だろ!」
オビトはもう一口食べてから言う。
「替え玉」
ナルトが吹き出した。
「早ぇよ!」
その時。
オビトの視線が、ふっと店の外へ向く。
暖簾の向こう。
誰にも見えない場所。
そこに――
小さな影がいた。
蠅のような形。
人の負の感情が集まって生まれたもの。
呪霊。
オビトは箸を止めないまま、指先を軽く振る。
一瞬。
空気が震えた。
呪霊は、跡形もなく消えた。
ナルトは気づかない。
サクラも。
カカシも。
オビトだけが、静かに麺をすする。
「……平和だな」
ナルトが笑った。
「だろ!」
その平和の裏で。
木ノ葉の里には、今日も見えない影が生まれていた。
そしてそれを祓う者が、一人だけいる。
第四次忍界大戦の首謀者。
――だった男
久しぶりに見る平和な景色だった。
子供たちが走り回り、商人が声を上げ、忍たちが行き交う。
――戦争が終わった里。
その中を
うちはオビト は静かに歩いていた。
隣には
はたけカカシ。
その少し前を
うずまきナルト と
春野サクラ が歩いている。
「なぁカカシ先生」
ナルトが振り返る。
「腹減ったってばよ」
カカシはため息をついた。
「さっきまで病院だったのに元気だね」
ナルトは笑う。
「戦争終わったんだしさ!」
そして指をさした。
「行こうぜ!」
そこにあった看板。
――一楽。
一楽ラーメン。
⸻
店の暖簾をくぐる。
「いらっしゃい!」
カウンターの向こうから声が飛ぶ。
テウチ が顔を上げた。
「おっ、ナルトじゃないか!」
「今日は大人数だな」
ナルトが笑う。
「ラーメン四つ!」
「あと替え玉!」
カカシが言う。
「まだ頼んでないよ」
その時だった。
テウチの視線がオビトに止まる。
「……?」
少し首をかしげる。
そして聞いた。
「初めて見る顔だな」
ナルトが得意げに言う。
「紹介するってばよ!」
そして親指を立てた。
「こいつ――」
一瞬ためてから言う。
「第四次忍界大戦の首謀者!」
店内が静まった。
サクラが慌てる。
「ナルト!!」
オビトは頭を掻いた。
「おい」
「その紹介やめろ」
ナルトは笑う。
「だって事実だろ?」
オビトは肩をすくめた。
「俺だけど」
「俺じゃねぇよ」
カカシが横でくすっと笑う。
「前世の話、だよね」
オビトは小さく頷いた。
「今の俺はただの――」
言いかけて、止まる。
ナルトが身を乗り出す。
「ただの?」
オビトはラーメンを受け取りながら言った。
「……呪霊祓いだ」
ナルトとサクラは同時に首を傾げた。
「?」
意味は分からない。
だがオビトは気にせず箸を割る。
湯気が立ち上る。
麺を一口すすった。
そしてぽつりと言った。
「……うまいな」
ナルトが笑った。
「だろ!」
オビトはもう一口食べてから言う。
「替え玉」
ナルトが吹き出した。
「早ぇよ!」
その時。
オビトの視線が、ふっと店の外へ向く。
暖簾の向こう。
誰にも見えない場所。
そこに――
小さな影がいた。
蠅のような形。
人の負の感情が集まって生まれたもの。
呪霊。
オビトは箸を止めないまま、指先を軽く振る。
一瞬。
空気が震えた。
呪霊は、跡形もなく消えた。
ナルトは気づかない。
サクラも。
カカシも。
オビトだけが、静かに麺をすする。
「……平和だな」
ナルトが笑った。
「だろ!」
その平和の裏で。
木ノ葉の里には、今日も見えない影が生まれていた。
そしてそれを祓う者が、一人だけいる。
第四次忍界大戦の首謀者。
――だった男
【〆栞】