黒い閃光

――回想。

東京。

夜の廃ビル。

呪いの気配が満ちている。

「うわ」

**虎杖悠仁**が顔をしかめた。

「めっちゃいる」

「群体型だな」

俺――
**うちはオビト**は息を吐いた。

背後で声。

「面倒くさ」

腕を組んでいるのは
釘崎野薔薇。

横には
伏黒恵。

伏黒が言う。

「二級相当が複数」

「油断するな」

虎杖が拳を鳴らした。

「よっしゃ!」

俺を見る。

「オビト!」

「競争な!」

「何の」

「祓った数!」

釘崎が即答した。

「ガキか」

虎杖が笑う。

「楽しいだろ!」

(……ナルトみたいだな)

ふと、そう思う。

まっすぐで

考えるより先に動く。

昔の自分も、たぶんこんな感じだった。

伏黒が言った。

「来るぞ」

次の瞬間。

壁が破裂した。

呪霊が雪崩れ込む。

虎杖が突っ込んだ。

「うおおお!!」

拳。

衝撃。

呪霊が吹き飛ぶ。

俺は印を結ぶ。

「火遁」

炎が走る。

呪霊が焼ける。

釘崎が呟く。

「ほんと忍者じゃん」

戦いは続いた。

だが。

奥から出てきた。

巨大な呪霊。

伏黒が言う。

「……特級寄り」

虎杖が笑う。

「面白ぇ!」

突っ込んだ。

拳を叩き込む。

だが。

硬い。

呪霊の腕。

虎杖が吹き飛ぶ。

「虎杖!」

俺は飛び込む。

拳を振るう。

呪力を乗せる。

その瞬間。

時間が歪んだ。

呪力と打撃。

完全一致。

黒い閃光。

空間が震えた。

――轟音。

呪霊が消し飛ぶ。

沈黙。

釘崎が言う。

「……今の何」

伏黒が答えた。

「黒閃」

虎杖が目を輝かせる。

「オビトすげえ!!」

俺は拳を見る。

黒い残光。

「……偶然だ」

釘崎が俺と虎杖を見比べた。

「ねえ」

腕を組む。

「アンタ達」

「似すぎ」

虎杖「え?」

釘崎

「バカ」

「無茶」

「仲間優先」

虎杖「褒めてる?」

「全然」

伏黒が小さく頷く。

「でも」

「確かに似てる」

虎杖が笑う。

「いいじゃん!」

「親友っぽい!」

釘崎が言う。

「っぽいじゃなくて」

「もう親友でしょ」

虎杖が笑った。

「だな!」

その瞬間だった。

虎杖の影。

一瞬。

異様な気配。

禍々しい存在。

王のような圧。

(……今の)

俺は振り向いた。

一瞬だけ。

感じた。

理解した。

あれは――

ただの呪いじゃない。

そして。

俺はまだ知らない。

いつか。

あの存在の術式を。

自分の魂に刻み込むことになるとは。

写輪眼を使って。

対抗するために。

同じ術式で。


〆栞
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