小学生オビト誘拐事件

――回想。

東京。

昼下がり。

小学校の帰り道。

ランドセルを背負った俺は歩いていた。

この頃はまだ。

呪力の制御もろくにできない。

ただ。

普通じゃないことだけは分かっていた。

呪いが見える。

そして。

呪いを殴ると消える。

「なんなんだこれ」

そう呟いた時だった。

背後から声。

「君」

振り向く。

白髪。

目隠し。

異様に背の高い男。

五条悟。

「呪い見えるでしょ」

俺は即答した。

「知らない人に話しかけられても答えちゃダメって言われてる」

沈黙。

五条が言った。

「正論」

しゃがむ。

俺を見る。

「呪術師にならない?」

俺は答えた。

「通報するぞ」

五条が笑った。

「警察じゃなくて呪術師になろうよ」

俺は無視して歩いた。

その時。

五条がふと言った。

「君」

「名前なに?」

俺は答えなかった。

だが。

ランドセルの名札を見た。

五条が読む。

「……裏葉」

「うちは?」

俺は立ち止まった。

「……」

五条が笑う。

「珍しい苗字」

そして。

何気なく聞いた。

「親どこ?」

俺は言った。

「父親が禪院」

「母親が加茂」

沈黙。

次の瞬間。

五条の顔が凍った。

「……は?」

俺「?」

五条

「え」

「ちょっと待って」

「禪院?」

「加茂?」

「え?」

俺「……」

五条

「……マジ?」

俺「……」

五条

「えええええ?」

そして。

次の瞬間。

俺は担がれた。

「ちょっと高専来て」

俺「誘拐!?」

五条

「違う違う」

「スカウト!」



「降ろせ!!」

五条

「禪院と加茂の子供とか」

「呪術界のバグじゃん!」



「知らねぇよ!」

こうして。

白昼堂々。

俺は

誘拐された。

東京呪術高専に。

後に

釘崎がこの話を聞いて

腹を抱えて笑うことになる。

「先生それ完全に犯罪じゃん」

五条は言った。

「未来への投資


〆栞
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