偽りの写輪眼

岩場の森。

静寂。

だが、その静けさは一瞬で破られた。

岩の影から三人の忍が現れる。

その中央の男の瞳が赤く光る。

写輪眼。

**はたけカカシ**は低く呟いた。

「写輪眼……」

その瞬間。

男が笑った。

「ガキが二人」

そしてゆっくり言う。

「木ノ葉か」

男の瞳が回る。

二つ巴の写輪眼。

だが。

**うちはオビト**はすぐに違和感を感じた。

(違う)

チャクラの流れ。

写輪眼の質。

すべてが歪だ。

オビトは小さく言った。

「カカシ」

カカシが視線を向ける。

「偽物だ」

敵の男の眉が動いた。

「ほう?」

オビトは肩をすくめる。

「写輪眼ってのは」

静かな声。

「そんな濁ったチャクラじゃ動かない」

男の顔から笑みが消えた。

「小僧が……」

次の瞬間。

男が叫ぶ。

「やれ!」

残りの二人が同時に動いた。

クナイ。

爆札。

同時攻撃。

カカシが反応する。

「右は俺が!」

オビトが笑う。

「了解!」

カカシは前に出た。

クナイ同士がぶつかる。

火花。

(速い)

敵は中忍レベル。

アカデミー生では普通勝てない。

だが。

カカシは天才だ。

一瞬の隙。

体術で敵を崩す。

ドン。

敵が地面に叩きつけられる。

一方。

オビトの方。

残る二人。

だが。

オビトは動かない。

敵が印を結ぶ。

「風遁!」

風刃が飛ぶ。

その瞬間。

オビトの瞳が赤く光る。

写輪眼。

世界がゆっくりになる。

(遅い)

オビトは一歩動く。

風刃がかすめる。

そして。

印。

「火遁・豪火球の術」

巨大な火球。

敵が慌てる。

「水遁!」

水がぶつかる。

蒸気。

視界が白く染まる。

その中。

オビトの声。

「捕まえた」

敵の男が振り返る。

いつの間にか。

オビトが背後にいる。

「なっ……!?」

拳が鳩尾に入る。

ドン。

男が吹き飛ぶ。

そして。

写輪眼の男が動いた。

「舐めるな!」

瞬間。

男の動きが速くなる。

写輪眼による予測。

体術。

普通の忍では対応できない。

だが。

オビトは少し驚いた顔をした。

(へえ)

そして。

笑った。

「じゃあ」

オビトの指先がわずかに動く。

血。

自分の指を少し切る。

そして。

「赤血操術」

血が浮かび上がる。

刃の形。

カカシの目が見開く。

(血が……浮いてる?)

血の刃が高速で飛ぶ。

シュン!

敵の肩をかすめる。

「ぐっ!?」

男が後退する。

オビトはゆっくり歩く。

「その写輪眼」

静かな声。

「移植だろ」

男の顔が歪む。

図星。

オビトは続ける。

「しかも粗悪品」

写輪眼が回る。

完全に見切っている。

男は怒鳴る。

「殺せ!」

だが。

その瞬間。

オビトが消えた。

カカシが目を見開く。

(速い……!)

次の瞬間。

オビトの拳が男の顎に入る。

ドゴン!

男が吹き飛ぶ。

岩に激突。

沈黙。

戦闘終了。

森が静かになる。

カカシは呆然と立っていた。

オビトは肩を回す。

「終わり」

カカシがゆっくり言う。

「お前……」

オビトが振り向く。

カカシの目は完全に変わっていた。

疑いではない。

確信。

「本当に何者だ」

オビトは少し笑った。

「ただの忍だよ」

カカシは首を振る。

「違う」

静かな声。

「お前」

「アカデミー生じゃない」

オビトは少し空を見た。

そして。

小さく言う。

「まあ」

肩をすくめる。

「普通じゃないのは認める」

カカシは黙る。

その時。

倒れていた写輪眼の男が小さく呟いた。

「計画は……」

二人が振り向く。

男は笑った。

「もう……始まってる」

そして。

口の中の毒を噛んだ。

カカシが叫ぶ。

「待て!」

だが。

男はそのまま動かなくなった。

沈黙。

森の風が吹く。

オビトの写輪眼がゆっくり回る。

(始まってる……か)

未来の影が。

少しずつ。

この時代にも現れ始めていた。



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