黄色い閃光の技

早朝。

木ノ葉の外れの修練場。

霧が薄く漂う森の中で、一人の男が立っていた。

金色の髪。

穏やかな青い瞳。

波風ミナト。

ミナトは空を見上げながら呟いた。

「そろそろかな」

次の瞬間。

シュッ――

木の枝から少年が降りる。

うちはオビト。

オビトは肩を回した。

「朝早すぎ」

ミナトは笑う。

「忍は朝が早いよ」

オビトはため息をついた。

「知ってる」

ミナトは少し真剣な顔になる。

「今日は任務じゃない」

オビトが眉を上げる。

「修行?」

ミナトは頷いた。

「そう」

そして。

手の中のクナイを見せる。

三叉の特殊なクナイ。

オビトの目がわずかに細くなる。

(飛雷神)

ミナトが言う。

「この術を知ってる?」

オビトは肩をすくめた。

「まあ」

ミナトは少し驚いた。

「やっぱり未来で見た?」

オビトは笑う。

「そんな感じ」

ミナトはクナイを地面に投げた。

カラン。

次の瞬間。

ミナトの姿が消える。

そして。

クナイの横に立っていた。

瞬間移動。

空間跳躍。

飛雷神の術。

オビトは素直に言った。

「やっぱり便利だな」

ミナトは笑う。

「便利どころじゃないよ」

そして真剣な声。

「これは時空間忍術だ」

オビトの目が光る。

(神威と同系統)

ミナトは説明する。

「この術は」

クナイを拾う。

「“印”に飛ぶ」

オビトは頷く。

「空間座標固定」

ミナトは少し驚いた。

「そこまで分かる?」

オビトは肩をすくめる。

「勘」

ミナトは笑った。

「君の勘は怖いね」

そして。

オビトを見る。

「この術」

静かな声。

「普通は火影クラスでも難しい」

オビトは言う。

「つまり?」

ミナトは答える。

「普通は教えない」

沈黙。

オビトは少し驚いた。

「俺に?」

ミナトは頷く。

「君なら」

「理解できる」

オビトは空を見た。

未来では。

この術を使うミナトはほとんど無敵だった。

もし。

自分が使えたら。

神威と組み合わせたら。

(ヤバいな)

ミナトは続ける。

「ただし」

指を立てる。

「いきなり飛ぶことは無理」

オビトは言う。

「座標感覚」

ミナトの目が見開く。

「……本当に勘?」

オビトは笑った。

ミナトは苦笑する。

「まず基礎」

地面に印を描く。

「空間認識」

「チャクラ座標」

「瞬間移動の感覚」

オビトは頷く。

「つまり」

「空間を掴む」

ミナトは静かに言った。

「そう」

二人は向き合う。

修行が始まる。

ミナトがクナイを置く。

「この位置を感じて」

オビトは目を閉じる。

チャクラを広げる。

そして。

もう一つ。

呪力。

二つの力が混ざる。

空間が少し歪む。

ミナトの目が細くなる。

(今のは……)

普通のチャクラではない。

だが。

何も言わない。

オビトが目を開く。

「できた」

ミナトが驚く。

「早い」

オビトは苦笑する。

「なんとなく」

ミナトは言った。

「試してみよう」

クナイを置く。

「そこに飛ぶイメージ」

オビトは集中する。

チャクラを圧縮。

空間座標。

そして。

次の瞬間。

空気が揺れる。

シュン。

オビトの姿が消えた。

ミナトの目が見開く。

そして。

クナイの横。

オビトが立っていた。

沈黙。

森が静まり返る。

ミナトはゆっくり言った。

「……今」

「一回目だよね?」

オビトは頭をかいた。

「たぶん」

ミナトは数秒黙る。

そして。

苦笑した。

「君」

「やっぱり普通じゃない」

オビトは笑った。

「よく言われる」

ミナトは空を見た。

(この子は……)

未来を知る少年。

未知の術。

そして。

飛雷神の才能。

ミナトは小さく呟く。

「忍界の歴史」

「変わるかもしれないね」

オビトは言う。

「もう変わってる」

ミナトは笑った。

「そうかも」

朝日が森を照らす。

そして。

二人の修行はまだ続く。

この日。

忍界はまだ知らない。

未来。

神威 × 飛雷神 × 呪術

という。

史上最悪レベルの時空間忍が生まれ始めていることを。


〆栞
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