別れの暁

雨が静かに降っている。

雨隠れの里

半蔵との戦いから数日。

町には久しぶりの静けさが戻っていた。

広場には人が集まっている。

その中央に立つのは――

弥彦

弥彦は静かに言った。

「この国は長い間」

「戦争に利用されてきた」

「でももう終わりだ」

雨隠れの忍たちが顔を上げる。

弥彦は拳を握る。

「これからは」

「俺たちがこの国を守る」

「平和な国にする」

その隣には

長門

小南

そして後ろには腕を組んで立つ少年。

うちはオビト

人々の間から拍手が起きた。

雨隠れは変わろうとしている。

やがて広場の集会が終わる。

弥彦がオビトに近づいた。

「助かった」

オビト
「別に」

弥彦が笑う。

「お前がいなかったら」

「俺は死んでた」

長門も頷く。

「本当だ」

小南が言う。

「ありがとう」

オビトは少し照れる。

「任務だから」

弥彦
「任務?」

オビトは頷く。

「俺は」

「木ノ葉隠れの里 の忍だ」

長門が言う。

「そういえば」

「そうだったな」

オビトは続ける。

「今回の任務は」

「雨隠れの状況確認」

「それと」

「自来也 様の安全確認」

小南が少し驚く。

「じゃあ」

「帰るの?」

オビトは頷いた。

「任務は終わった」

弥彦は少し考える。

そして言った。

「……そっか」

長門が静かに言う。

「でも」

「また会える」

弥彦が笑う。

「そうだな」

弥彦は空を見る。

雨雲の向こう。

「いつか」

「この世界を平和にする」

「その時は」

「また一緒に戦おう」

オビトは少し笑った。

「その時は」

「呼んでください」

弥彦が手を差し出す。

オビトも握る。

暁のリーダー。

未来を知る忍。

短い同盟だった。

こうして。

雨の国での任務は終わった。

だが。

オビトはまだ知らない。

もうすぐ。

忍界最大の夜が訪れることを。



〆栞
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