天才たち

木ノ葉。

朝の訓練場。

風が吹く。

二人の少年が向き合っていた。

黒髪の少年。

うちはイタチ。

その前に立つ青年。

穏やかな笑み。

うちはシスイ。

シスイ

「最近すごいらしいな、イタチ」

イタチ

「あなたほどではありません」

シスイは笑う。

「またそれだ」

二人はうちは一族でも有名な天才だった。

そして

同時に一人の忍を見て育った。

うちはオビト。

シスイ

「そういえば」

「昨日見たぞ」

イタチ

「……何をです?」

シスイ

「オビト」

イタチの目がわずかに動く。

シスイ

「根と戦ってた」

イタチ

「!」

シスイ

「やばかったな」

少し真面目な顔になる。

「正直」

「次元が違った」

イタチ

「……六写眼」

シスイ

「ああ」

シスイは少し空を見る。

「写輪眼でもない」

「万華鏡でもない」

「全く別の眼」

イタチ

「どんな眼でしたか」

シスイ

「青い」

「その中に写輪眼がある」

イタチの胸が少し高鳴る。

シスイ

「空気が変わるんだよ」

「オビトがあの眼を出すと」

イタチ

「……」

シスイ

「正直」

「怖い」

シスイがそう言うのは珍しい。

イタチ

「それでも」

「あなたは笑っていました」

シスイ

「そりゃな」

笑う。

「だってあの人」

「普段はめちゃくちゃ普通だろ?」

イタチは小さく頷く。

思い出す。

屋根の上。

優しい声。

「強くなれ」

その時。

後ろから声。

「何してんだお前ら」

振り向く。

黒髪。

短髪。

黒目。

青年。

うちはオビト。

シスイ

「噂の人きた」

オビト

「なんの噂だよ」

シスイ

「六写眼」

オビト

「やめろ」

頭をかく。

「面倒なんだよそれ」

シスイ

「でも本当だろ?」

オビト

「まあな」

イタチが静かに聞く。

「見せていただくことは」

オビト

「やだ」

即答。

シスイ

「即答だな」

オビト

「無駄に疲れる」

シスイ

「じゃあさ」

「稽古つけてくれ」

オビト

「え?」

シスイ

「天才二人相手」

笑う。

「どう?」

オビト

少し考える。

ため息。

「……怪我すんなよ」

シスイ

「それはこっちの台詞」

三人が距離を取る。

風が吹く。

その瞬間。

シスイが消える。

瞬身。

背後。

同時に

イタチが印を結ぶ。

火遁。

豪火球。

挟撃。

オビト

「おー」

黒目のまま動く。

火遁を避ける。

シスイの蹴りを受け止める。

「いい動き」

だが。

イタチが気づく。

(まだ…)

(本気じゃない)

オビトは軽く笑う。

「天才二人か」

その瞬間。

瞳が赤く染まる。

写輪眼。

三つ巴。

空気が変わる。

シスイ

「きた」

オビト

「もうちょい本気出せ」

次の瞬間。

二人の天才が同時に動いた。

そしてイタチは思う。

(この人に)

(少しでも近づきたい)

木ノ葉の空の下。

三人のうちはが戦っていた。


〆栞
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