研究対象

木ノ葉の地下。

さらに深く。

誰も知らない研究室。

薄暗い灯りの下。

机の上に並ぶ資料。

表紙には一つの名前。

うちはオビト

それを読んでいる男。

志村ダンゾウ。

静かな声。

「六写眼……」

跪く根の忍。

「申し訳ありません」

「対象の排除に失敗しました」

ダンゾウ

「構わん」

「予想通りだ」

報告書をめくる。

「写輪眼」

「万華鏡写輪眼」

「そして――」

指が止まる。

「六写眼」

次の資料。

血液分析。

「血液操作」

赤血操術。

ダンゾウの目が細くなる。

「うちはの血継限界ではない」

側近が言う。

「では……」

ダンゾウ

「未知の術」

さらに資料。

異常なエネルギー反応

側近

「チャクラではありません」

ダンゾウ

「……」

静かな声。

「未知の力か」

沈黙。

ダンゾウが呟く。

「写輪眼」

「未知の瞳術」

「血液操作」

「チャクラではない力」

その目が細くなる。

「価値が高すぎる」

側近

「排除しますか」

ダンゾウ

「違う」

首を振る。

「捕獲だ」

静かな命令。

「生きたまま」

「研究する」

その瞬間。

別の忍が報告する。

「対象」

「火影と接触しています」

沈黙。

ダンゾウ

「……波風ミナト」

波風ミナト

「最大の障害」

ダンゾウは立ち上がる。

「だが」

「火影でも」

「根には手出しできぬ」

研究室の奥。

巨大な封印装置。

人体拘束用の術式。

ダンゾウがそれを見上げる。

「六写眼」

静かに呟く。

「必ず手に入れる」

――その頃。

火影室。

ミナトが書類を読んでいた。

ページが止まる。

報告書。

根による非公式作戦

対象。

うちはオビト。

ミナトの表情が変わる。

優しい顔が消える。

静かな怒り。

「……ダンゾウ」

火影のマントが揺れる。

その夜。

木ノ葉の権力が

衝突しようとしていた。



〆栞
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