赤い瞳の覚醒

三日後。

忍者アカデミー訓練場。

青空の下、子供たちの声が響いていた。

今日は模擬戦の日。

教師が声を張り上げる。

「今日は対人戦だ!」

生徒たちがざわつく。

中でも視線が集まっていたのは二人。

**はたけカカシ**と
うちはオビト。

「あの二人だって」

「この前カカシ負けたんでしょ?」

「うちはって強いの?」

ざわめき。

その横で。

**野原リン**が少し心配そうに見ていた。

(なんか二人とも変)

最近。

カカシはオビトをずっと見ている。

オビトもどこか考え込んでいる。

何かが起きている。

そんな気がしていた。



「次!」

教師が言う。

「カカシ!オビト!」

周囲がざわめく。

二人が前へ出る。

カカシの目は静かだった。

(証明)

三日前。

オビトは言った。

「お前、写輪眼を見る」

意味は分からない。

だが。

確かめる。

オビトが構える。

「手加減しろよ?」

カカシは答えない。

教師が手を振る。

「始め!」



カカシが踏み込む。

速い。

子供とは思えない速度。

拳。

だが。

オビトは避けた。

半歩。

最小の動き。

カカシの拳が空を切る。

(やっぱり)

カカシは思う。

森で見た動き。

あれは幻じゃない。

さらに攻撃。

蹴り。

体術の連撃。

だが。

オビトはすべて流す。

崩し。

体重移動。

完全に戦場の技。

生徒たちがざわめく。

「すげえ」

「オビト強い!」

教師も驚いていた。

(あいつこんなに動けたか?)

だが。

次の瞬間。

カカシが距離を取った。

忍具ポーチ。

クナイを握る。

オビトの眉が動く。

(来る)

クナイが飛ぶ。

一直線。

だが。

狙いは別だった。

もう一本。

地面。

土煙。

視界遮断。

カカシが踏み込む。

(今だ)

死角からの一撃。

だが。

その瞬間。

オビトの中で。

何かが弾けた。

(……またか)

胸の奥。

熱い。

心臓の鼓動が強くなる。

目の奥が焼けるように熱い。

視界が変わる。

世界の動きが遅くなる。

チャクラの流れ。

筋肉の動き。

全部見える。

カカシの拳。

軌道。

速度。

すべて。

(見える)

オビトは動いた。

パシッ。

カカシの手首を掴む。

体を回す。

投げ。

ドサッ!

カカシが地面に倒れる。

訓練場が静まり返る。

誰も声を出せない。

オビトはゆっくり顔を上げた。

その瞳。

赤。

そして。

黒い一つの勾玉。

写輪眼。

教師が固まる。

「な……」

生徒たちがざわめく。

「写輪眼だ!」

「うちはの瞳!」

リンが目を見開く。

「オビト……」

カカシは地面から見上げていた。

そして。

息を止める。

(本当に……)

三日前。

オビトは言った。

「写輪眼を見る」

カカシの胸が強く鳴る。

偶然じゃない。

予言でもない。

(こいつ)

本当に。

未来を知っている。

オビトは手を差し出した。

「大丈夫か?」

カカシはその手を見る。

数秒。

沈黙。

そして。

掴んだ。

立ち上がる。

周囲のざわめきの中で。

カカシは小さく言った。

「……信じる」

オビトは笑った。

「だろ?」

夕日が訓練場を染めていた。

だが。

この覚醒を見ていたのは。

生徒たちだけではない。

遠く。

屋根の上。

二つの影。

一人は。

波風ミナト。

もう一人は。

杖を持った老人。

志村ダンゾウ。

ダンゾウの目が細くなる。

「写輪眼……」

低い声。

「面白い」

忍界の運命は。

さらに大きく動き始めていた。


〆栞
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